プレイング・ジ・オーケストラ

プレイング・ジ・オーケストラ

『プレイング・ジ・オーケストラ』は、坂本龍一が1988年12月16日にヴァージン・レコードからリリースした2作目のライブアルバムです。このアルバムは、1988年4月に東京NHKホールで行われた「Sakamoto Plays Sakamoto」コンサートの演奏を収録しています。コンサートは、著名な指揮者大友直人の指揮のもと、東京交響楽団によって演奏され、小林武史もキーボードで参加しました。

アルバム収録にあたり、坂本は約1か月半にわたって徹夜で譜面を作成し、オーケストラアレンジを施しました。このコンサートでは、映画『ラストエンペラー』や『戦場のメリークリスマス』のサウンドトラックに加え、坂本のオリジナル楽曲が演奏されました。特に『ラストエンペラー』で使用されなかった「満洲国パーティ」や「満洲国ワルツ」など、多彩な楽曲が披露されました。さらに、収録曲以外にも「After All」や「M.A.Y. In The Backyard」といった曲も演奏され、観客を魅了しました。

コンサートの終了後、坂本はすぐにロサンゼルスへ移動し、1988年4月11日には第60回アカデミー賞で『ラストエンペラー』の音楽により受賞の栄冠を手にしました。

アルバムのパッケージ

『プレイング・ジ・オーケストラ』の初盤は限定30,000セットが販売されました。この初回盤は振ると音が出るボックスセット仕様で、海外版も同様のセットでリリースされました。さらに、日本限定の初盤にはDisc3が特別に付属しており、ビーコン・シアターでの「NEO GEO TOUR」のライブ音源が収められています。音源は映像作品「NEO GEO」と同じもので、ファンにとって貴重な内容となっています。1993年3月31日にはCD2枚（Disc3無し）で再発されました。

ライナーノーツには、1988年に亡くなった生田朗氏に捧げる英詩が記されています。これは、アルバムに特別な思いを込められた証です。

収録曲一覧

アルバムは二枚組で構成され、実に多くの楽曲が収録されています。以下はその主な収録曲です。

Disc 1

• - Station
• - Open The Door
• - First Coronation (戴冠式)
• - Armo
• - Demo Guns
• - Mouse
• - Cut My Queue
• - The Gate
• - Tension
• - Rain (I Want a Divorce)
• - Manchukuo Party (満洲国パーティー)
• - Manchukuo Waltz (満洲国ワルツ)
• - The Baby (Was Born Dead)一
• - Russian Army (ロシア兵一)
• - The Last Emperor - Theme

Disc 2

• - Merry Christmas Mr.Lawrence - Theme
• - Germination (発芽)
• - The Seed and the Sower (種子と種を蒔く人)
• - Ride Ride Ride (Celliers' Brother's Song)
• - The Fight
• - Beyond Reason (理性を越えて)
• - The Seed
• - The Last Emperor - The End Theme
• - Before Long
• - Replica
• - Daikokai (大航海) – 作詞：かの香織／イタリア語翻訳：細川周平（ボーカル：バーナード・ファウラー）

Disc 3 (日本限定)

• - Okinawa Song
• - 1900 (1900年)
• - Tibetan Dance

アルバムの中でも、特に映画『1900年』のテーマ曲は坂本自身によるピアノ演奏であり、観客に深い印象を残しました。また、このライブでは『ラストタンゴ・イン・パリ』のテーマも演奏され、多才な坂本の音楽世界を余すところなく味わうことができました。このように、『プレイング・ジ・オーケストラ』は坂本龍一の音楽的才能と情熱が凝縮された貴重な作品と言えるでしょう。

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