ヴァージン・レコード

ヴァージン・レコードの歴史と影響

ヴァージン・レコード（Virgin Records）は、イギリスの音楽シーンを牽引してきた有名なレコードレーベルであり、現在は米国のユニバーサル ミュージック グループ傘下にあります。その名は、創業者であるリチャード・ブランソンの友人女性が「ビジネスにおいて未踏の地」という意味で提案したことに由来しています。1972年の設立以降、ヴァージン・レコードは音楽界に多大な影響を及ぼしてきました。

設立からの歩み

ヴァージン・レコードは1972年、リチャード・ブランソンやサイモン・ドレイパー、ニック・パウエルによって設立されました。初年度には、マイク・オールドフィールドの名盤『チューブラー・ベルズ』を含むアルバムを4作リリースしました。その当時、レーベルはプログレッシブ・ロックやアヴァンギャルド音楽など、実験的でアート的な作品を中心に発表していました。

特に注目すべきは、パンク・ロックのセックス・ピストルズとの関わりです。彼らの音楽が爆発的なヒットを記録したことで、レーベルは経営難から救われ、ブランソンたちはその過激なプロモーションにより逮捕されることさえありました。これにより、ヴァージン・レコードは一躍注目を集める存在となったのです。

ジャンルの多様化

1970年代後半には、レゲエ専門のレーベル「フロントライン」を立ち上げるなど、その音楽の幅を広げていきます。1980年代に入ると、カルチャー・クラブなどのアーティストがヒットを飛ばし、メジャーレーベルとしての地位を確立していきました。1987年には、米国法人「ヴァージン・レコード・アメリカ」を設立し、更に日本のフジサンケイグループが資本参加したことで、国際的な展開を加速させました。

所属アーティストの幅広さ

ヴァージン・レコードには、多くの著名アーティストが所属していました。限りなく多様なジャンルのアーティストが在籍し、特にパンク・ロック、ポップ、エレクトロニカ、さらにはレゲエまで幅広くカバーしています。例えば、セックス・ピストルズをはじめ、カルチャー・クラブ、デュラン・デュランなど、さまざまなヒット曲を世に送り出しています。

日本市場での展開

日本市場でも活動を広げ、当初は日本コロムビアがその発売元でしたが、1979年にビクター音楽産業に移行し、1984年には東芝EMIに変更されました。1987年にはフジサンケイグループが資本参加し、ポニーキャニオンが系列企業となり、ヴァージン・ジャパンが設立されました。しかし、英EMIが買収したことにより、再び発売元が東芝EMIに戻ります。

その後も、ユニバーサル ミュージック グループの傘下として様々な変遷を経て、2013年には新たにユニバーサル ミュージック・ユニバーサルインターナショナルなどが発売元として機能するようになりました。

現在のビジョン

2021年には、「Virgin Music Label & Artist Services（VMLAS）」という新しいネットワークが設立され、インディーズアーティストや新興レーベルの支援を行っています。これにより、ヴァージン・レコードの創業精神を受け継ぎながらも、新しい形で音楽の未来を創造する企業としての姿勢を示しています。

ヴァージン・レコードはその設立以来、多くのアーティストたちに影響を与え続け、常に音楽の最前線を駆け抜けています。

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