プレカリアートユニオン

プレカリアートユニオンについて

プレカリアートユニオンは、2012年に設立された合同労働組合で、非正規雇用者や正社員を含むさまざまな労働者が加盟することができます。本組織は東京都新宿区に本部を置き、全国コミュニティ・ユニオン連合会（全国ユニオン）の構成組織として活動しています。特に、社会的な不安定さから脱却し、豊かな労働環境を実現することを目指しており、結成当初から「ワーキング・プア」と呼ばれる労働者たちの生活向上のために活動しています。

組織の目的と活動

プレカリアートユニオンは、加入者が仲間を増やし、労働環境の改善を図ることに重点を置いています。組合費は収入に応じて1000円から3000円とされ、必要に応じて、得られた解決金の一部を「拠出金」として納める義務があります。特に、低賃金で働く人々が集まるこのユニオンは、労働条件の改善や生活支援などを行っています。

労働問題への対応

組織の結成以来、メディアでも注目されたアリさんマークの引越社との労働問題を始め、多くの事例に取り組み、勝利を収めています。特に2015年から2017年には引越社との団体交渉を通じて、1億円の解決金を手にしました。また、田口運送との残業代請求訴訟でも勝訴するなど、中小企業に対する労働環境改善への闘いを続けています。

最近の紛争

近年、ユニオン内での内部紛争や不適切な運営についても問題視されています。プレカリアートユニオンでは、アルバイトが自身の権利を主張して新たな労働組合を結成し、労働条件改善を求める動きがありましたが、ユニオン側が団体交渉を拒否するなどの事態が発生しました。また、元アルバイトの組合員たちによる総会決議の不存在が訴えられ、東京地裁での判決が出るなど、内部のガバナンスに疑問が呈されています。

使用者との法的闘争

プレカリアートユニオンは、使用者との間でも訴訟が続いており、テイケイや粟野興産との対立が顕在化しています。テイケイ事件では、双方の名誉を毀損したとされる訴訟が繰り広げられ、結果として双方に賠償命令が言い渡されました。さらに、粟野興産との裁判では、公共性についての争点が注目されました。

まとめ

プレカリアートユニオンは、特に非正規雇用の労働者たちの権利を守るために設立され、様々な困難に直面しながらも活動を続けています。内部の問題や外部との法的闘争が続く中でも、労働環境の改善を目指す活動は、多くの人々の関心を集めており、今後もその動向には注目が必要です。

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