プレスタワー

浜松プレスタワー

浜松プレスタワーは、静岡県浜松市中央区旭町11番1号に位置する、地域経済およびメディア活動の重要な拠点となるオフィスビルです。この建物は、静岡新聞社と静岡放送が共同で、静岡県の西部地域における中心都市である浜松市の新たな顔、すなわち視覚的なランドマークとなることを強く意識して計画・建設されました。その独特なデザインは、完成以来、多くの人々の記憶に残るものとなっています。

建設背景とその特異なデザイン

1985年（昭和60年）6月に竣工した浜松プレスタワーは、完成当時、その革新的なデザインと規模で注目を集めました。地上17階、地下1階建て、高さは約90メートルを誇り、当時の浜松駅周辺においては突出した存在感を持っていました。

このビルの最大の特徴は、その独創的な外観、特に最上階部分の傾斜したデザインにあります。この傾斜面は単なる意匠ではなく、機能的な意味も持っています。具体的には、太陽エネルギーを効率的に集めるための太陽熱集熱器が配置されており、ここで得られた熱エネルギーが館内の給湯や暖房の供給源として利用されています。これは、建設された時代としては先進的な、環境に配慮した取り組みでした。このような特徴的なシルエットは、建設当初から「プレスタワー」として多くの浜松市民に認識され、親しまれる要因となりました。

浜松のシンボルとして

浜松市の中心市街地は、時代の変化とともにその景観を大きく変えてきました。特に、1990年代以降には、フォルテ（後の遠鉄百貨店新館などを含む再開発エリア）や浜松アクトタワーといった、より大規模かつ高層の複合施設やビルが次々と建設されました。しかし、それらの新たなランドマークが出現する以前、浜松プレスタワーこそが、浜松駅周辺、そして浜松市全体を象徴する建造物として広く認知されていました。まさに、この建物が当時の浜松の発展と活気を体現する存在だったと言えるでしょう。多くの市民にとって、プレスタワーは慣れ親しんだ街の顔であり、待ち合わせ場所の目安となるなど、日常生活に溶け込んだ存在でした。

重要な入居企業

浜松プレスタワーは、その建設主体である静岡新聞社と静岡放送の本部機能の一部、特に静岡県西部地域における中核拠点としての役割を担っています。現在、ビル内には以下の主要な企業および組織が入居しています。

静岡新聞社 浜松総局: 静岡県の主要日刊紙である静岡新聞の、西部地域における取材・編集・販売など報道活動全般を統括する重要な拠点です。
静岡放送 浜松総局: テレビジョン放送およびラジオ放送を行う静岡放送の、県西部における放送事業全般を担う拠点です。この総局内には、番組制作や生放送に対応するためのサテライトスタジオも併設されており、地域に根ざした情報発信の一翼を担っています。

興味深い点として、過去には、静岡県内の主要なテレビ局の一つであり、静岡放送とは競合関係にある静岡第一テレビの浜松支社も、一時期プレスタワーに入居していました。しかし、現在、静岡第一テレビ浜松支社は浜松アクトタワーへ移転しており、プレスタワーは静岡新聞・静岡放送グループの色合いをより強く持つビルとなっています。

アクセス情報

浜松プレスタワーは、浜松市の交通結節点である浜松駅の至近に位置しており、非常に優れたアクセス環境を享受しています。

JR東海道本線をご利用の場合、浜松駅の改札からは徒歩でおよそ5分程度の距離です。駅前広場から市街地方面へ向かうとすぐに視界に入ります。
遠州鉄道の鉄道線をご利用の場合、新浜松駅からはさらに近く、改札を出てから徒歩約1分という抜群の立地です。

これらの駅からの近さは、ビルへの通勤者や来訪者にとって大きな利便性を提供しており、浜松中心街におけるプレスタワーの立地優位性を高めています。

まとめ

浜松プレスタワーは、1985年の竣工以来、約90メートルの高さと特徴的な傾斜屋根のデザインで、浜松市の景観に貢献してきました。かつては地域の最も重要なランドマークの一つであり、現在も静岡新聞社や静岡放送といった主要メディアの拠点として、浜松市中央区においてその存在感を示しています。優れた交通アクセスも相まって、地域にとって欠かせない重要なビルであり続けています。

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