プレストウィック・ゴルフ・クラブ

プレストウィック・ゴルフ・クラブは、スコットランド西海岸のプレストウィックに位置する名門ゴルフコースです。特に、ゴルフ四大メジャートーナメントの中で最も古い歴史を持つ全英オープンの第1回大会(1860年)の開催地として広く知られています。

全英オープンとの関わり

プレストウィックは、全英オープンと深い関わりがあります。第1回大会を皮切りに、連続12回を含む合計24回もの全英オープンが開催されました。しかし、1925年大会を最後に、残念ながらそれ以降は一度も開催されていません。その理由としては、ギャラリースタンドや放送設備を設置するための十分なスペースが確保できないという構造上の問題が挙げられ、今後も開催される可能性は低いと考えられています。

特徴的なコースレイアウト

プレストウィックのコースレイアウトは非常にユニークです。例えば、1番ホールはティーグラウンドのすぐ脇に鉄道の駅があり、ホールは線路に沿ってレイアウトされています。蒸気機関車は走っていませんが、現在も通勤列車が運行しており、ティーショットが右に曲がると列車に当たる可能性があるほど線路に近接しています。

5番ショートホールも特筆すべき点があります。ティーグラウンドからはグリーンが全く見えません。これはドッグレッグではなく、ティーグラウンドとグリーンの間に高い山があるためです。ゴルフコース内にこのような高い山があるのは珍しく、少し前方に歩いて旗の位置を確認できるような状況ではありません。そのため、キャディーの指示に従い、いわゆる「山勘」で打つしかありません。このホールのグリーン脇には鐘が設置されており、プレーヤーはグリーンを離れる際に後続の組に鐘を鳴らし、グリーンが空いたことを知らせるという伝統があります。同様の鐘は17番ホールにも設置されています。

ビジタープレーと周辺環境

プレストウィックはメンバーコースですが、曜日や時間帯によってはビジターもプレーできる場合があります。近隣には、現在も全英オープン開催コースとなっているロイヤルトルーンやターンベリーといった名門コースがあります。最寄りの主要都市はグラスゴーで、車で約1時間の距離です。

プレストウィック・ゴルフ・クラブは、その歴史、特徴的なコースレイアウト、そして全英オープンとの深い関わりを通じて、ゴルフファンにとって特別な存在であり続けています。

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