プログレスM-01M

プログレスM-01M

プログレスM-01Mは、国際宇宙ステーション（ISS）への定期的な物資補給を任務としてロシア連邦によって運用された無人宇宙補給船です。この機体は、既存のプログレス補給船であるプログレス-Mシリーズのさらなる改良型（GRAUインデックス: 11F615A60型）の初号機としての意義を持っています。技術的な刷新点としては、従来のシステムに代わって、新しいデジタルフライトコンピューター「TsVM-101」や、デジタル遠隔測定システムである「MBITS」といった、より高性能なシステムが搭載されていることが挙げられます。アメリカ航空宇宙局（NASA）では、この特定の補給船を「Progress 31」または「31P」と識別して呼称しています。

ミッション遂行

プログレスM-01Mの宇宙への旅は、2008年11月26日の12時38分（協定世界時、UTC）に始まりました。打ち上げはカザフスタン共和国にあるロシアのバイコヌール宇宙基地内の1/5発射台から、長年にわたり多くの実績を持つソユーズ-Uロケットを用いて行われました。打ち上げ成功後、プログレスM-01Mは約4日間にわたる独立した軌道上での飛行を続け、ISSへの接近を果たしました。そして、2008年11月30日12時28分（UTC）に、ISSのロシア側モジュールの一つであるピアースへのドッキングを無事に完了しました。

ISSとの結合期間中、プログレスM-01Mはその与圧された貨物室から、 स्टेशन 滞在クルーが必要とするさまざまな物資を運び込みました。また、station の姿勢制御や軌道高度の維持といった操作のために、搭載された推進システムが利用されることもありました。

搭載された補給品

この補給ミッションにおいて、プログレスM-01MがISSへ届けた合計の補給品質量は、約2423キログラムでした。その内訳は以下の通りです。

燃料: 820キログラム。これは स्टेशन の軌道修正などに使用されます。
水: 210キログラム。飲料水やその他生活用水として利用されます。
* ドライカーゴ: 1314キログラム。これには科学実験機器、交換部品、食料品、衣類、衛生用品などが含まれます。

特に、このドライカーゴの中には、当時ISSに長期滞在していた日本の宇宙飛行士、若田光一氏（第18次長期滞在クルー）のために特別に用意された、日本食の宇宙食が含まれていました。これは、長期にわたる閉鎖環境での生活におけるクルーの精神的な支えとなり、生活の質の向上に寄与する重要な補給品でした。

飛行中のアンテナ問題

プログレスM-01Mの打ち上げ直後、予期せぬ技術的な問題が発生しました。ISSへの自動ドッキングを行う際に使用される「クルス」システムに搭載されているアンテナの一つが、指示通りに展開しなかったのです。この状況に対し、地上のミッションコントロールセンターは迅速に対応しました。アンテナ展開コマンドを再度送信する試みが行われた結果、約3時間後にはアンテナが無事に展開し、正常に機能することが確認されました。

しかしながら、万全を期すため、そしていかなる不測の事態にも対応できるよう、ISSへの最終的なドッキング操作は、当時 स्टेशन に滞在していたロシア人宇宙飛行士ユーリ・ロンチャコフ氏によって、手動バックアップシステムである「TORU」を使用して実行されました。この出来事は、自動システムの信頼性向上と同時に、緊急時の宇宙飛行士による手動操作能力の重要性を示す一例となりました。

ミッション完了

ISSでの補給任務を終えたプログレスM-01Mは、2009年2月6日4時10分（UTC）にISSのピアースモジュールからドッキングを解除し、station を離れました。 station から安全な距離を確保した後、プログレスM-01Mは約2日間にわたり単独で軌道上を飛行しました。最終的に、地上の管制によって軌道離脱コマンドが送信され、プログレスM-01Mは地球の大気圏へと再突入しました。機体の大部分は、再突入時の断熱圧縮による高温によって燃え尽き、ミッションは2009年2月8日8時19分（UTC）をもって完了しました。このように、プログレスM-01Mは、改良型初号機として、ISSへの重要な補給任務を遂行しました。

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