プログレスM-25M

プログレスM-25Mとは

プログレスM-25M（ロシア語: Прогресс М-25М）は、国際宇宙ステーション（ISS）への重要な補給任務を担ったロシアの無人宇宙補給船です。ロシア連邦宇宙局によって運用されたこの機体は、ISSに滞在する宇宙飛行士たちの生活を支え、科学実験に必要な資材を運ぶ目的で開発されました。NASAやJAXAなどの国際パートナーからは、プログレス57または57Pという識別名で呼ばれることもあります。プログレスM改良型（11F615A60）シリーズとしては25番目に打ち上げられた機体であり、固有のシリアル番号は424番でした。

打ち上げと革新

プログレスM-25Mの打ち上げは、2014年10月29日7時9分（GMT）に実施されました。使用されたのは、ロシアがカザフスタン共和国から貸借しているバイコヌール宇宙基地です。この打ち上げは、改良が施されたソユーズ-2.1aロケットが、ISS関連の計画で初めて使用された記念すべき飛行でもありました。さらに、この機体にはASN-Kと呼ばれる新しい航法装置が搭載されていました。この装置は、ロシア版GPSとも言えるGLONASSなどの衛星測位システムからの情報を用いることで、より正確な位置決定と軌道制御を可能にしました。

ISSへの迅速な到達

特筆すべきは、プログレスM-25Mが採用したランデブー方式です。打ち上げ後、わずか6時間足らずという短時間でISSへの接近を果たし、同日である2014年10月29日13時8分（GMT）には、ISSのロシア側モジュールであるピアースに自動でドッキングを成功させました。これは、従来のランデブー方式と比較して大幅な時間短縮を実現するものであり、物資をより早く宇宙ステーションに届ける上で大きな利点となります。

搭載された重要な物資

ISSにドッキング中、プログレスM-25Mは第41次長期滞在ミッションに参加していた宇宙飛行士たち向けの合計2351kgにも及ぶ多様な貨物を運び込みました。その内容は、宇宙での生活や活動に不可欠なものばかりです。具体的には、以下の物資が含まれていました。

燃料: 880kg
酸素: 22kg
空気: 26kg
水: 420kg
* その他の補給品、実験機器、予備部品など: 1283kg

これらの物資は、ISSの姿勢制御に必要な燃料、呼吸のための酸素と空気、飲料水や実験用水、そして食料や日用品、科学実験に必要な機材など、宇宙ステーションの維持とクルーの健康・活動を支える上で極めて重要でした。

任務完了と処分

プログレスM-25Mは、ISSに約6ヶ月弱の間結合し、補給任務を果たしました。その後、役目を終えた機体は、2015年4月25日6時41分14秒（UTC）にISSからドッキングを解除されました。大気圏に再突入して完全に燃え尽きる軌道に乗せられ、翌日の4月26日には、安全が確保された太平洋上の予定された海域に落下・処分されました。これは、宇宙ゴミの発生を防ぎ、地球への危険を避けるための標準的な措置です。

プログレスM-25Mは、改良された打ち上げシステムと航法技術を実証しつつ、ISSへの重要な補給任務を成功裡に完了させた、ロシアの宇宙輸送能力を示す一例となりました。

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