プログレスM-2

プログレスM-2は、ソビエト連邦の宇宙開発計画の一環として運用された無人補給宇宙船です。ミール宇宙ステーションへの継続的な物資供給を目的とした「プログレス」シリーズの一つであり、特に改良型のプログレス-M（識別番号11F615A55）に属し、製造シリアル番号は202番でした。ミール宇宙ステーションに到達したプログレス補給船としては19機目にあたる機体です。

プログレスM-2には、当時ミールに滞在していたEO-5ミッションの搭乗員たちの生活を支えるための食料、水、酸素といった必需品が搭載されていました。また、宇宙での科学研究を進めるための様々な装置類や、ミール宇宙ステーションが安定した軌道を保ち、必要に応じて姿勢制御や軌道高度の調整を行うために使用される燃料も積載されていました。

この補給船の打ち上げは、1989年12月20日午前3時30分50秒（協定世界時GMT）に行われました。カザフスタンにあるソビエト連邦（当時）のバイコヌール宇宙基地、その中でも歴史的な1/5発射台から、信頼性の高いソユーズ-U2ロケットによって宇宙へと送り出されました。

打ち上げから約2日後の1989年12月22日午前5時41分21秒（GMT）には、目標であるミール宇宙ステーションへのドッキングに成功しました。ドッキング先は、ミールに結合していたクバント1モジュールの後方（Aft）に位置するポートでした。プログレスM-2がドッキングしている期間、ミール宇宙ステーションは地球の上空、およそ390kmから393kmの軌道を周回していました。

プログレスM-2は、合計で48日間にわたりミール宇宙ステーションと結合した状態を維持しました。この期間中に、搭載されていた物資はミールの内部に移され、燃料はステーションのタンクに供給されるなど、宇宙ステーションの長期運用を支える重要な役割を果たしました。

約1ヶ月半に及ぶドッキング期間を終え、プログレスM-2は1990年2月9日午前2時33分7秒（GMT）にミールから分離しました。この分離は、次にミールへ向かうソユーズTM-9宇宙船（EO-6ミッションのクルーが搭乗）が同じドッキングポートを使用する必要があったためです。

ミールからの分離後、プログレスM-2はその役目を終え、大気圏に再突入して廃棄されるプロセスに入りました。ドッキング解除から数時間後の同日午前7時7分（GMT）には、地球の大気圏突入に向けた軌道離脱マヌーバが実行されました。プログレスM-2は太平洋上空で大気圏に突入し、その摩擦熱によって機体の大部分が燃え尽きました。大気圏突入による燃焼の後に、機体の一部が燃え残り、太平洋上に落下したとされており、これが確認されたのは軌道離脱からおよそ50分後の同日午前7時56分（GMT）ごろのことでした。こうして、プログレスM-2はミールへの補給任務を完了し、その飛行を終えました。

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