プログレスM-56

プログレスM-56

プログレスM-56は、ロシア連邦宇宙局（現ロスコスモス）によって運用された、国際宇宙ステーション（ISS）へ補給物資を届けるための無人宇宙船です。この補給船はプログレス-M型（形式番号11F615A55）に属し、製造番号は356番が付与されていました。アメリカ航空宇宙局（NASA）では、このミッションをProgress 21、あるいは短縮して21Pと呼称していました。

軌道への投入とISSへのドッキング

プログレスM-56は、2006年4月24日、協定世界時（GMT）16時3分25秒にカザフスタンのバイコヌール宇宙基地第1/第5発射台から、ソユーズ-Uロケットによって宇宙へと打ち上げられました。打ち上げ後、ISSへの軌道追跡飛行を行い、順調に目的地へ接近しました。

そして、打ち上げから2日後の2006年4月26日、GMT17時41分31秒に、ISSのロシア側区画であるズヴェズダモジュールの後方ポートに無事ドッキングを成功させました。これにより、ISSへの補給ミッションが本格的に開始されました。

補給物資

プログレスM-56は、当時ISSに滞在していた第13次長期滞在クルーをはじめとする宇宙飛行士たちの生活を支えるための重要な物資を運びました。これには、食料品、飲料水、船内の空気を維持するための酸素供給、そして宇宙空間での様々な科学実験に使用される装置類などが含まれていました。これらの物資は、ISSの長期的な運用とクルーの健康および研究活動のために不可欠なものでした。

ミッションの終了

プログレスM-56は、ズヴェズダモジュールに約5ヶ月間にわたって結合し、ISSの運用を支えました。しかし、次にISSへ到着する予定だった有人宇宙船ソユーズTMA-9のためにポートを空ける必要が生じました。これに伴い、2006年9月19日のGMT0時28分17秒にISSからのドッキングを解除しました。

ISSから離れた後、プログレスM-56はその役割を終え、軌道を離脱するプロセスに入りました。ドッキング解除からわずか約3時間後の同日GMT3時28分には、軌道から離脱するための最終マヌーバが実行されました。その後、機体は太平洋上空で地球の大気圏に再突入し、その大部分が大気との摩擦熱によって燃え尽きました。燃え残りの一部は、事前に定められた安全な海域（宇宙機を落下させるための特定の区域）に、同日GMT4時14分40秒頃に落下したとされています。

こうして、プログレスM-56はISSへの重要な補給任務を完了し、その生涯を終えました。

関連事項

2006年の宇宙飛行
国際宇宙ステーションへの無人宇宙飛行の一覧

もう一度検索