プログレスM-MIM2

プログレスM-MIM2

プログレスM-MIM2は、ロシア連邦宇宙局が開発した無人宇宙船であるプログレスMシリーズの派生型です。この特殊な改造型は、国際宇宙ステーション（ISS）へ新しいモジュールを運ぶために設計されました。別名プログレスM-MRM2とも呼ばれ、当初はプログレスM-SO2として計画されていました。

設計と特徴

標準的なプログレスM補給船（11F615A55型）をベースとしていますが、モジュール輸送という特定の目的のために大幅な変更が加えられています。最大の特徴は、通常物資を搭載するための与圧カーゴ室が取り払われている点です。これは、輸送対象であるポイスクモジュールがその空間を占有するためです。本機にはシリアル番号302が付与されていました。ISSへモジュールを輸送する役割を担ったプログレス改造機としては、2001年にピアースモジュールを運んだプログレスM-SO1や、2021年にプリチャルモジュールを運んだプログレスM-UMといった前例があります。

ミッション遂行

プログレスM-MIM2は、2009年11月10日14時22分（協定世界時GMT）に、カザフスタンのバイコヌール宇宙基地にあるガガーリン発射台から、ソユーズ-Uロケットに搭載されて打ち上げられました。この打ち上げ時の総重量は7102 kgで、これには輸送対象であるポイスクモジュールの質量3670 kgが含まれていました。

打ち上げから約2日後の2009年11月12日15時41分（GMT）、プログレスM-MIM2は無事ISSに到着し、ロシア区画のズヴェズダモジュール上部（天頂側）に設けられたドッキングポートへの自動ドッキングに成功しました。NASAの報告では、ドッキング完了は15時44分でした。ポイスクモジュールは、このプログレスM-MIM2がドッキングインターフェースとして機能している間に、ISSに結合されました。

ミッション終了

ポイスクモジュールの設置が完了し、プログレスM-MIM2の役目が終わると、本機はISSから分離されました。アンドッキングは2009年12月8日0時16分（GMT）に行われました。その後、軌道を離脱するための制御噴射が開始されました。これは同日4時48分30秒（GMT）から10分38秒間にわたって行われました。軌道を離脱したプログレスM-MIM2は、大気圏に再突入し、大部分が燃え尽きました。大気圏突入は5時27分（GMT）に太平洋上空で発生し、宇宙機本体の破壊は5時32分（GMT）までに完了したとされています。

このように、プログレスM-MIM2は、ISSのロシア区画を拡張する上で不可欠なポイスクモジュールの輸送と設置を成功させ、その特殊な改造と運用によってISSの構築に貢献しました。

関連情報

プログレス補給船の飛行一覧や、国際宇宙ステーションへの無人宇宙飛行の一覧といった項目も関連が深いです。さらに詳細な情報については、宇宙機関が公開する資料などが参考になります。

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