プログレスM-SO1

プログレスM-SO1 (Progress M-SO1)

プログレスM-SO1は、国際宇宙ステーション（ISS）へ「ピアース」と呼ばれるロシアのドッキング室兼エアロックモジュールを輸送するために特別に改造、運用された無人宇宙補給船です。従来のプログレス補給船が物資輸送を主目的とするのに対し、本機は大型モジュールという特定の貨物を運ぶことに特化していました。

機体の特徴

本機は、標準的なプログレス-M型補給船を原型としています（シリアル番号は301番）。通常のプログレス補給船が備える与圧式の貨物室は取り外され、代わりにピアースモジュールを船体先端に直接結合できるよう構造が変更されました。これにより、プログレス補給船が持つ推進系や制御系を利用し、ピアースモジュールをISSへ正確に運び、指定ポートへドッキングさせることが可能になりました。

ミッション詳細

プログレスM-SO1の打ち上げは、グリニッジ標準時（GMT）2001年9月14日23時34分に実施されました。打ち上げ場所はカザフスタンのバイコヌール宇宙基地1/5番射点から、ソユーズ-Uロケットが使用されました。

打ち上げから約2日半後のGMT 2001年9月17日1時5分、プログレスM-SO1は国際宇宙ステーションに到着し、ドッキングに成功しました。ドッキング先は、ISSのロシア側サービスモジュール「ズヴェズダ」の底側（地球側）ポートでした。これにより、プログレスM-SO1とピアースモジュールは一時的にISSに結合されました。

ISS結合後、搭載されたピアースモジュールの引き渡しが行われました。ISS滞在から約9日半後のGMT 2001年9月26日15時36分、プログレスM-SO1はピアースモジュールを切り離しました。ピアースはその後、ISSのロボットアームなどで最終的な位置に固定・接続されました。プログレスM-SO1はピアースを届け、接続を助ける役割を果たしたのです。

運用の終了

ピアースモジュールの分離という主目的を達成した後、プログレスM-SO1本体はISSから離脱し、その役目を終えました。GMT 2001年9月26日23時30分、軌道から離脱するための噴射を開始しました。大気圏に再突入した機体は大部分が燃え尽き、燃え残った一部は翌日のGMT 2001年9月27日0時1分頃、太平洋上の予定海域に落下しました。これは、役目を終えた宇宙機を安全に処分するための標準的な手順です。

意義

プログレスM-SO1は、ISSの機能拡張、特にロシア側セグメントへの重要なモジュール追加に不可欠な役割を果たしました。その設計と運用は、無人補給船が単なる貨物船ではなく、軌道上の大型コンポーネント輸送・設置手段としても有効であることを示しました。このミッションの成功は、その後のISS構築におけるロシアの貢献において重要な一歩となりました。

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