プログレスM1-4

プログレスM1-4

プログレスM1-4は、ロシア連邦宇宙局によって開発・運用された無人の宇宙補給機です。この宇宙船は、国際宇宙ステーション（ISS）への物資輸送という重要な任務を担い、NASAでは主にProgress 2または2Pという名称で識別されました。

機体の情報

プログレス-M1（11F615A55）型に属し、機体のシリアル番号は253でした。

打ち上げ

M1-4は、2000年11月16日のグリニッジ標準時（GMT）午前1時32分36秒に、カザフスタン共和国にあるバイコヌール宇宙基地の1/5発射台から、ソユーズ-Uロケットによって宇宙へと送り出されました。

初回ドッキングとその課題

打ち上げからおよそ2日後の同年11月18日GMT午前3時47分42秒、M1-4はISSのザーリャモジュールに設けられたナディアポートへの結合に成功しました。しかし、このドッキングプロセスにおいて、自動誘導システムであるクルスに不具合が発生しました。このため、宇宙飛行士による手動操縦システムであるTORUを用いたバックアップ操作により、安全にドッキングを完了させました。

ドッキング解除と単独飛行

約2週間にわたってISSに接続していたM1-4は、2000年12月1日GMT午後4時22分52秒に一度ドッキングを解除し、単独での軌道飛行に移りました。

再ドッキングと運用の完了

その後、M1-4はおよそ25日間の独立飛行を続け、2000年12月26日GMT午前11時3分13秒に再びISSへのドッキングを試みました。再ドッキングの際には、前回不具合を起こしたクルスシステム自体は修復されていましたが、一度目のドッキング試行を中断する際に使用した手順が、アンテナの格納という不可逆的な操作を含んでいたため、アンテナの再展開が不可能となっていました。このため、前回と同様にTORUシステムによる手動での操作が行われ、再度の結合が達成されました。

この二度目のドッキングは約6週間に及びました。そして、2001年2月8日GMT午前11時26分4秒にISSから切り離され、同日GMT午後12時59分に軌道を離脱するための操作が実行されました。M1-4は大気圏に再突入し、機体の大部分は太平洋上で燃え尽き、燃え残りは同日GMT午前11時50分頃に太平洋上に落下したとされています。

積荷と特筆すべき点

M1-4がISSへ運んだ物資には、滞在するクルーが必要とする食料、水、酸素といった基本的な生活必需品のほか、様々な科学研究に必要な装置類が含まれていました。このミッションは、ISSに長期滞在する宇宙飛行士への初めての本格的な補給任務であった点で特筆されます。また、プログレス補給船の飛行履歴において、M-15Mまでの間に同一のステーションと二度ドッキングを行った唯一の機体としても、その運用上の柔軟性を示す事例となりました。

関連事項

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