プロジェクトマネジメント・プロフェッショナル

プロジェクトマネジメント・プロフェッショナル（PMP）

プロジェクトマネジメント・プロフェッショナル（PMP）は、アメリカ合衆国のプロジェクトマネジメント協会（PMI）が主催し、国際的に認知されているプロジェクトマネジメントの資格です。この資格は、プロジェクトを効果的に管理するための知識や技術を評価するものであり、プロジェクトマネージャーとしての能力を証明するものです。

試験概要

PMP試験はコンピュータを使用して行われ、180問の選択式問題が提出されます。このうち5問は採点に影響しないダミー問題です。試験は3つのセクションに分かれており、各セクションは60問で構成されています。受験者は、セクション間に2回の休憩を取ることができます。

2020年12月時点では、PMBOKガイド第6版に基づいて出題され、その分野別の出題割合は以下の通りです：

• - プロジェクトの立ち上げ - 13%
• - プロジェクトの計画 - 24%
• - プロジェクトの実行 - 30%
• - プロジェクトの監視・コントロール - 25%
• - プロジェクトの終結 - 8%

しかし、2021年1月からはアジャイルアプローチの流行に伴い、出題範囲が更新されました。これにより、以下のような割合で出題されます：

• - 人（42％）
• - プロセス（50％）
• - ビジネス環境（8％）

受験者は、問題が予測型、アジャイル型、またはハイブリッド型のどれに該当するかを識別して回答する必要があります。

合格基準とスコア

試験は全て選択肢の中から正解を選ぶ形式ですが、単なる暗記だけでは合格は難しいです。問題文を理解し、現在のプロセスや次に必要なステップを判断することが求められます。また、PMBOKガイドには明記されていないPMIが考える理想のプロジェクトマネージャー像に関する問題も含まれています。

試験が終了すると、即座に結果が判明します。受験者には各分野の理解度が4段階で示されるスコアレポートが提供されますが、具体的な得点は公開されません。スコアの区分は以下の通りです：

• - Above Target
• - Target
• - Below Target
• - Needs Improvement

受験資格

PMP試験の受験資格を取得するためには、以下の2つの条件を満たす必要があります。
1. プロジェクトマネジメントに関連する実務経験：
- 大卒者は4500時間、高卒者は7500時間以上の実務経験が求められ、それを過去8年以内に行っていることが必要です。また、大卒者は36か月、高卒者は60か月以上のプロジェクトマネジメントの経験が必要です。
- 申請時に監査される場合、上司や顧客からの証明書類を提出しなければならないことがあります。

2. 35時間の公式なプロジェクトマネジメントの研修を受講するか、CAPM認定を取得すること。
- 研修を受けた場合は、試験申込時に修了証を提出する必要があります。
- プロジェクトマネジメント関連の職に従事していることが求められ、その経験はプロジェクトマネージャーだけでなくリーダーやコンサルタントでも認められます。

受験申請はPMI本部で行い、英文での入力が必要なため、一定の英語力も必要です。また、監査制度があり、申請者がランダムで選ばれる場合があります。

資格維持

PMP資格を維持するためには、3年ごとにプロジェクトマネジメントに関する学習を行い、「資格継続要求プログラム（CCR）」を履行することが求められます。この学習を達成することで「プロフェッショナル開発単位（PDU）」を取得でき、資格維持には60ポイント以上を3年ごとに取得する必要があります。PDUは1時間あたり1ポイントで、細かく加算することもできます。

十分なPDUが取得できなかった場合、翌年から資格は一時的に停止されます。その間にPDUを取得することで資格を復活できますが、取得に失敗した場合は資格が失効する可能性があります。

また、35PDUは教育研修で、残りの25PDUは実務やボランティア活動を通じて取得可能です。PDUの申請時も監査対象となることがあります。

試験の評価

PMPの合格率は非公開ですが、一般的には高いとされています。これは、受験者が十分な準備を整えてから試験を受ける仕組みがあるためです。受験者は事前に申し込みを行うことで、指定されたテストセンターで自分の都合に合わせて試験が受けられます。また、申し込み後も48時間前まで試験日を変更できるため、挑戦がしやすいとされています。

PMP試験は、日本の情報処理技術者試験のプロジェクトマネージャ試験と比較されることがありますが、PMPは特定の業界に依存しない民間資格であり、選択式問題に特化しています。実務経験の確認は申請時の経歴書によって行われます。

PMP資格は多くのビジネス領域で役立てられ、日経BP社の調査では「実務に役立った」という回答が多く寄せられ、昇進や転職においても高い評価を得ています。

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