プロダクション・プラスエイチ

株式会社プロダクション・プラスエイチとは

株式会社プロダクション・プラスエイチ（英: Production +h., Inc.）は、日本国内に拠点を置くアニメ制作会社であり、日本動画協会の準会員としても活動しています。この会社は、アニメ業界で豊富な経験を持つ本多史典氏が設立し、アニメ『地球外少年少女』の制作を主な目的として動き出しました。

概要

プロダクション・プラスエイチは、IGポート傘下のプロダクション・アイジーおよびシグナル・エムディでプロデューサーを務めていた本多史典氏によって設立されました。会社の設立にあたっては、磯光雄監督が手がけるオリジナルアニメ作品に対する情熱が大きな原動力となりました。当初、このプロジェクトはシグナル・エムディで企画されていましたが、さまざまな事情からリリースが難航していました。そこで、本多氏は、磯監督と共にこの作品を完成させるために独立を決意し、負債を背負いながらスタジオを設立しました。

会社の名称とロゴには、「英知の結集」という意味が込められており、「hの結晶（プラスh）」と名付けられました。ロゴには、アニメを通じて6つの「h」（希望・ユーモア・人間性・興奮・誠実・幸福）を世界に伝える意義が示されています。

強み

プロダクション・プラスエイチは、新しい会社としての特性を活かし、アニメ業界の既存のルールやしがらみから自由に運営されています。また、本多氏が以前のスタジオで確立した人脈を背景に、業界のトップクリエイターと協力し、高品質なアニメ作品を生み出す能力を持っています。

施策

特に注目すべきは、アニメ制作における労働環境の改善を目指す施策です。旧来の常識にとらわれず、すべてのクリエイターが柔軟に活躍できる環境を整えることを重視しています。デジタル技術の発展により、作業に必要な機材やソフトウェアが身近なものとなった今、彼らは各セクション間の壁を壊し、クリエイターの自由な表現とスキルアップの機会を拡大しています。

具体的な取り組みとして、無料の3Dソフトウェア「Blender」を活用し、従来の高額なツールに頼らない新たな制作スタイルを実現しています。これにより、専門職ではないスタッフも3D作業の経験を持つことが可能となり、みんなで作品作りに参加しやすくなります。

ジェネラリストの育成

また、プロダクション・プラスエイチでは、「ジェネラリスト」を育てる仕組みも考慮されています。アニメ業界ではこれまでスペシャリストを育成してきましたが、今後は幅広いスキルを持つジェネラリストを求める声も高まっています。新人クリエイター達は多くのソフトを扱える能力を持っているものの、それを活かせる体制が整っていないのが課題です。この分析に基づき、各分野で活躍できるジェネラリストが育成される環境を作り出すことを目指しています。特に、演出職が不足している現在、他職種からの流入を促進するシステムを構築することは重要です。

技術的アプローチ

制作の初作品である『地球外少年少女』では、Blenderを用いた美術やメカデザインの3DCG表現がなされました。さらに、Blenderを駆使した「Blender作画」の技法も導入し、より立体的で表現豊かなアニメーション制作を行っています。今後は、他のツールも活用しながら、視覚的な楽しさを追求し続ける方針です。

沿革

• - 2020年

- 7月：東京都府中市に設立
- 9月：スタジオ開設

• - 2021年

- 4月：日本動画協会に準会員として入会
- 7月：若手アニメーター育成プロジェクトを受託制作

• - 2022年

- 1月：『地球外少年少女』がNetflixで世界配信

このように、プロダクション・プラスエイチは新たなアプローチと技術を駆使し、アニメ制作の未来を切り開く存在となることを目指しています。

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