プロトデビルン

プロトデビルンとバロータ戦役

『マクロス7』に登場するプロトデビルンは、単なる敵役を超えた、物語の根幹に関わる重要な存在です。本項では、その設定概要から、各個体の特徴、彼らが引き起こしたバロータ戦役、そして彼らが率いるバロータ軍について、詳細に解説します。

プロトデビルンとは

プロトデビルンは、テレビアニメ『マクロス7』とその劇場版に登場する地球外生命体です。彼らは、宇宙と同時に誕生した異次元宇宙「サブ・ユニバース」で発生・進化した知的エネルギー生命体であり、プロトカルチャーによって創造された生体兵器群「エビル・シリーズ」に憑依した存在です。

設定概要

起源: サブ・ユニバースで発生した知的エネルギー生命体
憑依: プロトカルチャーによって創造された生体兵器「エビル・シリーズ」
能力: ゼントラーディ基幹艦隊を全滅させ、惑星を破壊するほどの戦闘能力
弱点: 生物の精神エネルギー「スピリチア」を吸収しなければ生命を維持できない

プロトデビルンは、その強大な力でプロトカルチャーを滅亡に追い込みました。彼らは封印されていましたが、約50万年後の西暦2043年に目覚め、マクロス7との間でスピリチアを巡る戦い、バロータ戦役を繰り広げることになります。

エビル・シリーズ

プロトデビルンの器となったエビルは7種類存在し、それぞれ異なる外見と能力を持っています。「エビル」とは、プロトカルチャーの言語で「アドバンスド（ゼントラーディ）・全領域活動可能・生体兵器」の頭字語であり、ゼントラーディよりも上位の存在として設計されました。

プロトカルチャーは、プロトデビルンに対する恐怖心をゼントラーディの遺伝子に深く刻み込みました。そのため、ゼントラーディはプロトデビルンに接近すると精神に変調をきたし、バロータ戦役中には事故や事件が多発しました。

名称の由来

「プロトデビルン」という名称は、プロトカルチャー星間共和国によって名付けられたものであり、劇中では「悪魔のような存在」と表現されます。

『マクロスΔ』の文芸担当、小太刀右京氏の推測によれば、プロトデビルンとは、プロトカルチャーの言語で「古き魂持たざる被造物」という意味を持つ可能性があるとのことです。

バロータ戦役

バロータ戦役は、西暦2045年から2046年にかけて、プロトデビルンと地球文明圏の間で繰り広げられた戦いです。

発端

2025年、移民船団メガロード-13がバロータ星系を発見し、移民を開始します。2043年、統合軍の調査船団がバロータ3198XE第4惑星でプロトカルチャーの遺跡を発見。調査船団を指揮するイワーノ・ギュンター参謀は、プロトカルチャーの技術を独占しようと目論み、プロトデビルンを目覚めさせてしまいます。

プロトデビルンの頭目格であるゲペルニッチは、ギュンターに憑依し、調査船団の乗組員を精神制御下に置きます。こうして誕生したのが、バロータ軍です。

戦いの経過

バロータ軍はマクロス7を襲撃し、スピリチアを吸収するという未知の攻撃手段で統合軍を苦しめます。しかし、Fire Bomberの熱気バサラの歌が、バロータ軍に影響を与え始めます。

ゲペルニッチは、人類がスピリチアを再生する能力を持っていることを知り、「スピリチアファーム・プロジェクト」を立案。マクロス7船団への潜入工作や、惑星ラクスでのスピリチアファーム建設を試みます。

戦いは激化の一途をたどり、プロトデビルン同士の対立、サウンドフォースの活躍、そしてバサラの歌が、戦局を大きく左右していきます。

最終局面では、ゲペルニッチが暴走し、銀河の生命が危機に瀕しますが、バサラの歌がプロトデビルンを進化させ、戦いは終結へと向かいます。

戦後

バロータ戦役は、マクロス7船団に大きな被害をもたらしました。戦いの顛末は、作品世界においても様々な解釈がなされており、その全貌は必ずしも明らかになっていません。

バロータ軍

バロータ軍は、プロトデビルンによって率いられる軍隊です。兵士は、精神制御された地球人やゼントラーディ人で構成され、スピリチアの収集や、対象の調査を任務としています。

バロータ兵

バロータ兵は、ヘルメット内部の特殊な音波装置によって精神制御されています。彼らは感情を失い、事務的な口調でしか話しません。

兵器

バロータ軍は、地球の艦艇を改造した艦隊を保有しています。艦艇デザインは宮武一貴氏が手掛けており、「綾織」のラインを取り入れた独特なデザインが特徴です。

可変戦闘機は、統合軍の機体を改造したものであり、バトロイド形態の頭部にスピリチア吸収ビーム発射装置が取り付けられています。エルガーゾルン、パンツァーゾルン、ザウバーゲランなどが存在します。

まとめ

プロトデビルンとバロータ戦役は、『マクロス7』の物語を彩る重要な要素です。彼らの存在は、生命、魂、そして歌の力を問いかけます。ぜひ、本編をご覧いただき、その魅力を体験してください。

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