プロミスト・ランド (アルバム)

『プロミスト・ランド』：ルルティアの音楽的冒険

2004年6月9日、シンガーソングライター、ルルティアの3枚目のアルバム『プロミスト・ランド』がリリースされました。本作は、ルルティア自身の作詞作曲による全11曲を収録。編曲はルルティアと佐藤鷹氏によって手がけられています。

このアルバムには、既にシングルとしてリリースされ人気を博していた「トロイメライ」と「月千一夜」が収録されている他、シングル化が予定されていたものの実現しなかった「アラベスク」も含まれています。初回限定盤には、アルバムジャケットをデザインした特製ステッカーが封入されており、このステッカーに付いた応募券で抽選で200名に『ルルティア文庫』第3巻『プロミスト・ランド』がプレゼントされるキャンペーンも実施されました。

『プロミスト・ランド』は、ルルティアの音楽性における新たな地平を切り開いた作品と言えるでしょう。これまでの作品にはない試みが数多く見られ、楽曲ごとに多彩な表情を見せています。例えば、「ハレルヤ」では初めてヴァイオリンが演奏に取り入れられ、より豊かなサウンドスケープが構築されています。また、「maururu roa」では、ルルティアのアーティストネームの由来にもなっているタヒチ語で歌われており、彼女のルーツやアイデンティティを深く感じさせる一曲となっています。ただし、「maururu roa」の歌詞は、アルバムには掲載されていません。

音楽的な特徴として、弦楽器による荘厳なセレモニーを思わせる場面と、地底を揺るがすようなヘヴィなロックサウンドが混在している点が挙げられます。この対照的な要素の融合が、アルバム全体に独特の緊張感と深みを与えています。

さらに、本作はCD-EXTRA仕様となっており、「愛し子よ」「ロスト バタフライ」「シャイン」「トロイメライ」の4曲のプロモーションビデオが収録されています。「トロイメライ」のPVは、シングル版とは冒頭の編集が若干異なるバージョンが収録されている点にも注目です。

収録されている楽曲の中には、JFN系ラジオ番組『円都通信 -YEN TOWN REPORT-』内放送ラジオドラマ『ラッセ・ハルストレムがうまく言えない』で使用された楽曲も複数含まれています。「neo」と「アラベスク」が劇中で使用され、「月千一夜」は最終話のエンディングテーマとして使用されました。これらの楽曲は、ドラマの世界観と見事に融合し、作品をさらに彩っています。

『プロミスト・ランド』は、ルルティアの音楽的探求心と表現力の高さが凝縮された、聴き応えのある一枚です。シングル曲の人気はもちろん、アルバム独自の楽曲も魅力的で、彼女の音楽世界を深く知りたいリスナーにとって必聴のアルバムと言えるでしょう。 様々な要素が複雑に絡み合いながらも、全体として統一感のある作品に仕上がっている点は、アーティストとしてのルルティアの卓越した才能を改めて示すものと言えるでしょう。

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