プロンプター (電気機器)

プロンプターとは

プロンプターやテレプロンプターは、テレビ放送や講演、演説、コンサートなどの現場で原稿や歌詞を表示するための装置です。これにより、演者は手元の原稿を見ずに目線をカメラや観客に向けることができ、自然なコミュニケーションが実現します。具体的には、原稿がどのように表示されるかという点についても、さまざまな技術が活用されています。

プロンプターの種類

プロンプターは大きく分けて三つのタイプがあります。いずれの種類も、パソコンから送信された映像を別の液晶モニタに表示するという基本構造は共通しています。テレビカメラ用の場合、レンズの前に液晶ディスプレイとハーフミラーを設置し、これにより原稿を視認することができます。また、演説や講演用では演台の前にハーフミラーや液晶ディスプレイを配置することが一般的です。さらに、コンサートでは、大型のディスプレイが客席とステージの間に設置され、歌詞や指示が表示される仕組みになっています。

スタジオ用プロンプター

日本では1980年代初頭から、NHK放送センターで「テレビ用プロンプター」が導入されました。初期の装置はハーフミラーを使用しないもので、CRT（ブラウン管）がアナウンサー側を向いて固定されていました。その後、ハーフミラーでの表示方式が普及し、現在のシステムが確立されました。これにより、アナウンサーは手元の原稿を見ずにカメラを見つめつつ、自然に話すことができるようになりました。

講演・演説用プロンプター

講演や演説の際には、液晶ディスプレイとスタンド式のハーフミラーが設置され、演者は聴衆の方を見ながらスピーチを行えます。この際、テレプロンプターは遠隔操作で動作されます。原稿はワープロソフトで作成され、専用ソフトを使用して表示されます。また、重要な演説においては、バックアップシステムが備えられ、万一のトラブル時にも問題なく進行できる仕組みが整っています。

スピーチでの応用

歴代のアメリカ合衆国大統領が演説で使用してきたプロンプターは、やがて世界中で政治家や企業のリーダーによっても取り入れられました。日本では、細川護熙元首相が初めて内閣総理大臣として使用し、その後、多くの大手企業や首相がこの技術を利用するようになりました。スピーチの内容を正確に伝えるため、特に重要な場面での使用が推奨されています。

コンサート・ライブ用のプロンプター

コンサートやライブパフォーマンスにおけるプロンプターは、比較的シンプルな構造です。ステージ前方や観客席後方に大型のディスプレイが配置され、歌詞やパフォーマンスに必要な指示が表示されます。これにより、パフォーマーは歌詞を確認しながら観客と一体となって演出することが可能となります。また、カラオケ文化の中で歌詞を表示するためのプロンプターも活用されており、音楽を楽しむ新たなスタイルとして広がっています。

まとめ

プロンプターは視覚的な情報を提供し、演者の表現力を向上させる重要な役割を果たしています。これにより、演説やパフォーマンスの質が高まり、視聴者との関係性も強化されます。

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