NHK放送センター

NHK放送センター

NHK放送センターは東京都渋谷区神南に所在し、日本放送協会（NHK）の中核的な施設です。この場所は、放送法に基づく「主たる事務所」とされ、ここから多くの全国ネットワーク番組が制作され、発信されています。

概要

放送センターには、関東甲信越地方を対象とした首都圏局や、衛星放送を行うNHK-BS、日本国外向けのNHKワールドTVとラジオ日本を担当する国際放送局が設けられています。地理的には代々木公園の近くに位置し、周囲には渋谷区役所や渋谷公会堂があります。この地域は、かつて大日本帝国陸軍の代々木練兵場であった場所で、終戦後はアメリカ占領軍の居住区域として使われたワシントンハイツの跡地です。

NHK放送センターは、1964年の東京オリンピックを機に、オリンピックのホスト局として設置されることが決まりました。当時のNHK会長は、主会場に近い場所に移転することを望み、政府と協議の上で土地の払い下げを受ける運びとなりました。この新しい建物はオリンピックの放送センターとして機能し、後に正式にNHKの本部施設としての役割を担うようになりました。

建て替え計画

近年、放送センターは老朽化が進んでおり、耐震性や省エネ化が課題とされていました。2010年からは、新しい施設への建て替えを検討し始め、その後の計画が具体化されました。2016年には、建て替えの基本計画が発表され、2020年から工事が開始される予定となっています。これには約1700億円の費用がかかると見込まれており、2025年頃には第1期工事が完成する見込みです。最終的には2036年に全ての工事が完了する予定です。

施設構成

東館

NHK放送センターで最も古く、1965年に完成しました。

西館

1968年に竣工した建物で、放送センターの中で2番目に古いです。

本館（高層棟）

1972年に完成したこの高層建物は、放送センター内で最も目立つ建物です。

NHKホール

1988年に開館し、市民向けの公開生放送などに利用されています。

スタジオ

NHK放送センター内には、日本最大級のスタジオ数を誇ります。総合テレビを含む、NHKのさまざまな放送に対応するため、25以上のスタジオが存在し、ニュース番組やエンターテイメント番組など多様なジャンルがここで制作されています。

ニュースセンター

ニュースセンターは主に約300坪の面積を持ち、1989年から運用を開始。地震などの災害時にも独立して運用できるように設計されており、迅速に情報を発信できる体制が整っています。特に、重要なニュースが発生した際には、その情報をリアルタイムで提供し、多くの視聴者へ迅速に届ける役割を果たしています。

セキュリティと運営

放送センター内は、セキュリティ上の配慮から一般向けに詳細な案内図は提供されておらず、内部には多くの制限が設けられています。また、過去には抗議デモが発生したこともあり、セキュリティ体制が強化されています。映像の撮影や公開にも厳重な管理が行われ、特に機密保持が求められる部分は両者による合意の下で運用されています。

このようにNHK放送センターは、放送事業を支える重要な施設であり、日本のメディア界でも重要な地位を占めています。

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