プローブカード

プローブカードとは

プローブカード（probe card）は、半導体集積回路（LSI）の製造過程で、LSI試験装置に用いられる接続治具です。このカードは、ウェーハ上で形成された複数のLSIチップを個別に検査するために使用されます。具体的には、ウェーハを切り離す前に各チップの機能をテストし、不良品を排除する役割を果たしています。

プローブカードの役割

ウェーハ検査は、製造時に発生する可能性のある不良品を早期に発見し、最終製品に組み込む前に異常を排除することが目的です。不良LSIチップをパッケージに入れた後にテストを行うと、大きなコストがかかるため、初期段階でこの工程が不可欠です。通常、ウェーハ上には数百から数千個のLSIチップが形成されており、全数検査が自動化されたテスト装置を通じて実施されます。

ウェーハ検査工程

ウェーハ検査では、特に次のようなテスト装置を用います。
1. LSIテスタ: これは、LSIチップからの出力応答を測定し、良品かどうかを判断するための主要な装置です。テスト信号を作成し、LSIチップに印加することでテストを行い、多様なLSIの種類に応じた専用のテスタが存在します。
2. ウェーハプローバ: これにより、LSIテスタとウェーハを電気的かつ機械的に接続するための装置です。具体的には、ウェーハを正確に位置決めし、プローブカードの針をLSIチップに接触させることによりテストを行います。

プローブカードの構造

プローブカードは、一般的に円形のプリント配線基板から成り、その外周にはLSIテスタとの接続端子が配置されています。中央部にはプローブ針が取り付けられており、その先端がLSIチップのボンドパッドに接触します。近年ではLSIの微細化に伴い、プローブ針のサイズや配置ピッチは縮小し、より多くのプローブ針を備えた設計が求められるようになっています。2000年代には、プローブ針の本数が数百本から千本以上にまで増加し、特に液晶ドライバチップなどでその要求が顕著に見られます。

材質と性能

プローブカードは、耐久性や高い接続信頼性が求められるため、特定の材質で作られています。また、性能向上については、電気的信号の忠実な伝達が重視されています。各メーカーは、さまざまな設計と材質を開発し、利用する市場ニーズに応じて製品を提供しています。

プローブカード市場

全世界では40社以上のメーカーがプローブカードを製造しており、その市場規模は2011年に約11.7億ドルに達しました。特に、日本の日本マイクロニクスが主要なメーカーとしての地位を確立し、過去のトップメーカーを抜き去る結果となりました。上位のメーカーは多ピンプローブカードを主力製品としており、メモリLSIやSoCのテストに特化しています。

まとめ

プローブカードは、半導体試験装置において重要な役割を果たす接続ツールであり、LSIチップの機能をテストするために不可欠です。これにより、不良品の排除や製造コストの合理化が可能となり、産業全体における品質向上に寄与しています。

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