プロ野球 ファミスタ エボリューション

プロ野球 ファミスタ エボリューション

2018年8月2日にバンダイナムコエンターテインメントからNintendo Switch向けにリリースされた『プロ野球 ファミスタ エボリューション』は、同ハードにおける「ファミスタ」シリーズの記念すべき第1弾タイトルです。本作は、総合学園ヒューマンアカデミーとの共同開発というユニークな側面も持ち、一部の選手イラストや試合中のBGM制作に生徒たちが携わっています。

ゲームシステムの進化

前年にニンテンドー3DSで発売された『プロ野球 ファミスタクライマックス』の基盤システムを大きく変更することなく継承しつつ、選手能力や操作性に新たな要素が加えられました。特に注目すべきは、選手のサブポジションが最大二つまで設定可能になった点と、投手がサブポジションを持てるようになった点です。また、打撃面では「打球角度」と「打撃特性」が新機能として搭載。打球角度は5段階で評価され、これが高いほど長打、特に本塁打につながりやすくなります。打撃特性は、その選手が特定の方向へ打ちやすい傾向を示すものです。操作面では、ZLまたはZRボタンを押しながらスイングすることで、それぞれ流し打ちや引っ張り打ちといった狙い澄ました打撃が可能になりました。

期間限定特典

発売時には、購入者向けの特典として二種類のダウンロード番号が提供されました。一つは、ナムコスターズなどで使用できる特別な選手たちのものです。これには、レジェンド左腕である山本昌氏をモデルにした「やまもも」、プロレスラーの棚橋弘至氏をモデルにした「たなはし」、ラッパーのMCU氏をモデルにした「えむしゆ」が含まれていました。さらに、新日本プロレスとのコラボレーションでパワーアップした「超ファミスタくん」も使用可能になりました。もう一つは、1992年に発売されたスーパーファミコン用ソフト『スーパーファミスタ』をベースに、収録選手データを最新のものに入れ替えた『スーパーファミスタレトロ2018』をダウンロードできるというものでした。

多彩なゲームモード

本作には、様々なプレイスタイルに対応したモードが搭載されています。

おなじみファミスタ: いわゆる定番の対戦モードで、手軽に試合を楽しめる「オープン戦」、2017年度プロ野球の全143試合を戦い抜く「プロ野球ペナントレース」、そして操作方法を学べる「トレーニング」が含まれます。
ドリームペナント: 選手を集めてチームを強化・育成するモードです。マップを探索しながら選手を獲得したり能力を高めたりしていく基本的な流れは前作と同様ですが、本作で様々な新要素が追加されました。育成したチームは、他の対戦モードでも使用できます。
ファミスタファンタジー: 本作から新登場した、自分だけのオリジナル選手を作成・育成するモードです。プレイヤーは「勇者」となり、アクションRPGのような形式で魔物と戦いながら「ファミスタワー」の頂上を目指します。道中で手に入れたアイテムや経験値を使って選手の能力を自由に割り振ることが可能で、育てた選手はドリームペナントで使用できます。
おすそ分けファミスタ: Nintendo Switchの特徴を活かした新モードで、Joy-Conを分け合って2人から最大4人までで手軽に試合を楽しめます。
ボード de ファミスタ: これも新たな試みとなるモードで、まるで野球盤のようにJoy-Conを使って直感的にプレイできます。1人でも2人でも遊ぶことが可能です。
ファミネット: オンラインで全国のプレイヤーと対戦できる「オンライン対戦」、近くのプレイヤーと手軽に対戦できる「ローカル対戦」に加え、本作からは近くの人と選手カードを交換できる「選手トレード」機能が新たに追加されました。

その他にも、ゲーム設定を変更できる「オプション」や、パスワード入力、追加コンテンツ購入が行える「スペシャル」といった項目があります。

ドリームペナントの拡充

このモードには、前作からの様々な進化が見られます。シーズン開始時に「秘書」を5人の中から選択できるようになり、それぞれの秘書は試合で得られる経験値やゲーム内通貨（FP）などに特定の効果をもたらします。試合に勝利することで秘書の好感度が上がり、その効果はさらに高まります。また、「ファミスタンプ」システムが導入され、これを集めることで試合に役立つ「アイテム」や「ファミめし」、後述する「サバイバルロード」への挑戦に必要な「サバイバルチケット」が入手できます。マップ進行中に現れるキャンプやショップも、2つの選択肢から選べるようになりました。試合前に最大3つのアイテムと1つのファミめしを使用することで、チーム能力を一時的に強化したり、相手チームを弱体化させたりすることが可能です。さらに、試合中に発生する「観客ミッション」を成功させることで、FPやアイテム、ファミめしを獲得するチャンスがあります。そして、全く新しいモードとして「サバイバルロード」が登場しました。これは、ファミスタンプなどで入手したサバイバルチケットを使って挑戦する勝ち抜き戦形式のモードです。試合に勝利すると選手カードやアイテムを獲得して次の試合に進めますが、一度でも敗北するとそこで終了となります。ナムコスターズやマスコット選手、名球会およびOBクラブ所属選手、メタルズ、ブラックナムコスターズ、首脳陣といった一部の貴重な選手・キャラクターは、このサバイバルロードでしか入手できません。

収録チーム

日本プロ野球のセントラル・リーグ、パシフィック・リーグに所属する全12球団が実名で登場します。アップデートによってシーズン途中でも最新の現役選手やオリジナル選手が追加されたほか、ファミスタシリーズとしては初めて、現実のトレードによる選手の所属球団変更がゲーム内にも反映されるようになりました。NPB球団に加え、様々なオリジナルチームも収録されています。前作から引き続き登場するのは、おなじみのナムコスターズ、そしてドリームペナントで条件を満たすと使用可能になる隠しチームのブラックナムコスターズとメタルズ、さらに日本プロ野球名球会、女子プロ野球選抜です。本作から新たに登場したのは、日本プロ野球OBクラブ、BCリーグ選抜、四国アイランドリーグplus選抜、女子ソフトボール選抜、そして大学野球の早稲田大学、慶應義塾大学、法政大学、明治大学、東京大学、立教大学といった名門校チームです。

球場

日本プロ野球12球団が本拠地として使用する全13球場（オリックスは神戸も含む）に加えて、ゲームオリジナルのユニークな3つの球場がプレイ可能です。NPBフランチャイズ球場のうち、ドーム球場を除く球場ではナイトゲームでのプレイが可能になりました。オリジナル球場は以下の通りです。

かせんじき球場: 河川敷に設けられたグラウンドを模しており、フェンスまでの距離が極めて短いため、打球がフェンスを越えやすく、乱打戦になりやすい特徴があります。唯一、デイゲームとナイトゲームに対応していない球場です。
ピッカリスタジアム: ナムコスターズの本拠地球場です。本作ではスタジアムの外観が一新され、観覧車やフリーフォールなど、テーマパークのような賑やかなデザインになりました。
* がいこくパーク: アメリカの野球場を思わせる雰囲気を持つ球場です。グラウンドは左右非対称で、特にレフト側のフェンスが高く、右中間が極端に広い形状をしています。グラウンド中央には大きなグローブのモニュメントが置かれています。

テーマ曲

本作のテーマソングには、ラッパーのMCU氏による「ファミスタ エボリューション」が使用されています。

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