ピッカリスタジアム

ピッカリスタジアム（Piccari Stadium）

ピッカリスタジアムは、バンダイナムコゲームス（かつてのナムコ）が開発・販売する人気野球ゲームシリーズ『ファミスタシリーズ』に登場する架空の球場です。「ピッカリ球場」や、ひらがな表記の「ぴっかり球場」といった名称が用いられることもあります。

シリーズにおける歴史

この球場が初めて登場したのは、シリーズの記念すべき第1作である1986年発売の『プロ野球ファミリースタジアム』です。翌年の『'87年度版』においても、唯一のプレイ可能な球場として存在感を放ちました。しかし、その後の作品ではしばらく姿を消し、再び登場するのは1999年発売の『ワールドスタジアム3』において、隠し球場としての復活を果たしてからです。2002年にサービスが開始された携帯電話アプリ版や、2006年から2007年にかけてリリースされた『プロ野球 熱スタシリーズ』内の「ファミスタモード」、そしてニンテンドーDS向け作品など、現代のシリーズにも再登場を果たしています。

特に『プロ野球 熱スタシリーズ』の「ファミスタモード」では、シリーズを象徴する架空球団「ナムコスターズ」の本拠地として、「ぴっかりすたじあむ」の名称で登場しました。ゲーム内の設定上の所在地は東京都とされています。DS版においては、『プロ野球 ファミスタDS2009』では「ピッカリスタジアム」、『プロ野球 ファミスタDS2010』では「ぴっかりスタジアム」と、作品によって表記に揺れが見られます。

球場データ

ピッカリスタジアムの広さや収容人数といった具体的なデータは、登場作品や資料によって異なります。

所在地: 東京都大田区矢口1-2-21とされています。これは、初代ファミスタ発売当時のナムコ本社ビル（1985年竣工）が実在した場所と同一の番地です。

グラウンド: 内外野は人工芝が敷かれています。ただし、マウンドや各塁の周辺部分は土のグラウンドとなっています。初代ファミスタや『熱スタ』版のグラウンドには、ホームベース後方のファウルグラウンドに、白い文字で「Piccari」と逆アーチ状に描かれている特徴があります。

球場の広さ:
初代および『'87年度版』の攻略本では、両翼100m、センター120mと記載されていました。
その後に出版された関連書籍では、このデータが改訂され、両翼91m、センター119mという数値が示されています。これらの書籍では、しやちほこ球場やたからづか球場といった他の架空球場を紹介する際に、ピッカリスタジアムとサイズが同じである旨の記述が見られます。
2001年発売の『ワールドスタジアム5』では、両翼94m、センター112mという設定でした。
2006年発売の『ファミスタ2006』では、両翼90m、センター115mとなっています。

観客収容人数:
1986年版では30,000人でした。
1987年版では40,000人に増加しました。
これらの人数は、ゲーム内の試合終了後に表示される架空の新聞記事「ナムコットスポーツ」によって発表されたものです。

開発と関連情報

初代ファミスタのグラウンドの絵は、後にシリーズの開発チーフ・プロデューサーとなる小野泰氏が描いたものです。また、初代ファミスタの開発チームは「PICCARI PRO」としてクレジットされていました。『'87年度版』をはじめとするシリーズの一部作品では、「PICCARI GAMES」や前述のチーム名がクレジットされている場合があります。さらに、『プロ野球ワールドスタジアム』（初代PCE版）では「ピッカリドームのグランドキーパーズ」、『'88年度版』では「めんばあず おぶ やぐち ぴつかりいず」といった、関連を思わせるユニークなクレジット表記が見られます。1988年に北米でリリースされた『R.B.I. BASEBALL』にも、名称は不明ながら初代ピッカリスタジアムと酷似したグラウンドが登場しています。

「ピッカリ」の名を冠する他の球場

『ファミスタ』およびその関連シリーズには、「ピッカリ」という名を冠した他の架空球場も登場します。

ピッカリドーム: 1988年発売のPCエンジン版『プロ野球ワールドスタジアム』で初めて登場した、空気圧式のドーム球場です。収容人数は50,000人と設定されていました。
ニュー・ピッカリドーム: 1991年発売のPCエンジン版『プロ野球ワールドスタジアム'91』に登場した球場です。こちらは開閉式のドーム球場となり、収容人数はピッカリドームと同じ50,000人でした。
ピッカリドーム (ファミスタモバイル): 携帯電話ゲーム版『ファミスタモバイル』にもピッカリドームが登場しますが、こちらは1988年のPCエンジン版と同様の空気圧式ドームとなっています。
ニューぴっかりスタジアム: 2008年発売のWii版『プロ野球 ファミリースタジアム』に登場しました。ゲーム内の「全国リーグ」モードでは、関東地方に位置する球場として扱われています。球場サイズは両翼89m、センター95m、収容人数は45,600人、グラウンドはピッカリスタジアムと同様の人工芝です。

これらの球場は、それぞれ登場作品は異なりますが、「ピッカリ」の名を共有し、シリーズにおける架空のスタジアム群の一部を構成しています。

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