プロ野球 ファミリースタジアム (Wii)

プロ野球 ファミリースタジアム（Wii版）

2008年5月1日、バンダイナムコゲームス（ナムコレーベル）よりWii向けにリリースされた野球ゲーム。かつて人気を博した「ファミリースタジアム」シリーズの系譜を継ぎつつ、当時の最新ハードであるWiiの特性を活かした新しい遊び方を提案した一作です。「スポーツわいわい」シリーズの一つとして位置づけられています。

ゲームシステムの進化

本作の最も大きな特徴の一つは、大幅に変更されたカメラ視点です。従来のシリーズでおなじみの「ファミスタカメラ」に加え、「標準カメラ」「キャッチャーカメラ」「ピッチャーカメラ」の合計4種類から視点を選択可能となりました。これは、Wiiリモコンを使った体感的な操作（通称「フリフリ」モード）と、クラシックコントローラーなどを使用した従来のボタン操作（通称「ピコピコ」モード）の、両方の操作スタイルに対応するために導入された変更点です。

また、選手のグラフィックはリアル寄りになり、プレイヤーの分身となるキャラクターは、WiiのユーザーアバターであるMiiに対応しました。これにより、自分のMiiをゲーム内に登場させることができます。

収録チームと選手データ

ゲームに登場するチームは、日本のプロ野球を構成するセントラル・リーグとパシフィック・リーグの合計12球団に加え、バンダイナムコエンターテインメントをモデルとしたオリジナルチーム「バンダイナムコスターズ」が収録されています。選手データは、2008年のプロ野球開幕時点のものが採用されています。

さらに、ゲームを進めることでアンロックされるスペシャルチームも存在します。全国リーグモードをクリアするたびに、コリアンパワーズ、アメリカンズ、キューバドリームス、ロボッツといった個性的なチームが一つずつ追加され、使用可能になります。これらのスペシャルチームは、モードタイトルの横に付く★マークの数で解放状況が確認でき、最大で5つまで★が増えます。

多彩なゲームモード

本作には、様々なプレイスタイルに対応したゲームモードが用意されています。友達や家族と気軽に楽しめる「対戦モード」はもちろん、一人で全国の強豪チームに挑む「全国リーグ」、インターネットを通じて遠隔地のプレイヤーと対戦できる「Wi-Fi」モードも搭載されています。

シリーズでおなじみだった練習モード「分身くん」は、Miiに対応したことで「トレーニングモード」と名前を変えました。このモードでは、野球に必要な様々な能力を鍛えるためのミニゲームが7種類収録されています。例えば、記憶力を試す「おぼえて、ならべて」、動体視力を鍛える「しゅんかんキャッチボール」、バッティングのリズム感を養う「リズムバッティング」などがあります。その他にも、Wiiリモコンをひねる操作を使う「スタジアムラン」、配球の駆け引きが重要な「三振勝負」、守備の反応を見る「スーパーキャッチ」、そして運試し要素のある「ファミスロット」などが楽しめます。これらのトレーニングをクリアし、一定以上の成績を収めることで、本編の試合に参戦できるようになります。

オリジナル球場

本作では、残念ながら実際のプロ野球本拠地球場は収録されていません。その代わりに、バラエティ豊かな雰囲気を持つオリジナル球場が多数用意されています。都会のビルに囲まれた「ダウンタウン球場」、開放的な雰囲気の「ライブフィールド」、南国ムード漂う「なんごくスタジアム」、古代ギリシャを思わせる「パルテノ球場」、緑豊かな「グリーンパーク」、そしてシリーズでおなじみのキャラクターを冠した「ニューぴっかりスタジアム」などがあります。スペシャルチームの「コリアンパワーズ」を解放すると、追加の球場として「かせんじき」球場も使用可能になります。

シリーズファンはもちろん、Wiiならではの直感操作で野球を楽しみたいという層にも向けられた意欲的な作品と言えるでしょう。

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