ヘニーヒューズ

ヘニーヒューズ (Henny Hughes) は、2003年生まれのアメリカ合衆国出身の競走馬にして、日本でもその名を馳せる種牡馬である。アメリカでの現役時代は、主にダート短距離路線で活躍し、その類まれなスピードと勝負強さでG1競走2勝を含む輝かしい成績を残した。その後、種牡馬として日本に輸入されると、その産駒が数々の重賞競走を制覇するなど、日本競馬に大きな影響を与えたことで知られる。

セリ市場から始まった競走馬としてのキャリア

ヘニーヒューズは1歳時のセリで18万ドルという高値で落札された。2歳時にはさらに高額な37万ドルの値が付いたものの、買い手が付かず、所有者の元に残ることとなった。この時点では、まだ誰も彼が将来G1競走を制覇するほどの競走馬になるとは予想していなかっただろう。

2歳シーズンは、パトリック・ビアンコーネ調教師の指導の下、デビュー。デビューから3連勝を飾り、そのうち1勝はステークス競走で、実に15馬身差という圧勝劇を演じた。この圧倒的な勝利は、関係者の間で大きな話題となり、ダーレー社が非公開で彼を獲得することとなった。

しかし、G1競走ではファーストサムライという強豪に2度敗れ、2着に終わった。その後、シェイク・モハメドの長男、シェイク・ラシッドが率いるザビールレーシングインターナショナルの所有馬となり、キアラン・マクラフリン厩舎へと転厩した。ブリーダーズカップ・ジュヴェナイルではファーストサムライを上回ったものの、スティーヴィーワンダーボーイに阻まれ、再び2着に終わった。

3歳シーズンと短命な現役生活

3歳シーズンは、ドバイでの調整を予定していたが、輸送などの影響でUAEダービーへの出走は叶わなかった。その後、マクラフリン厩舎に戻り、短距離路線に転向。ジャージーショアーブリーダーズカップステークスで10馬身差の圧勝、続くキングスビショップステークスでも5馬身以上の圧勝劇でG1競走初制覇を果たした。ヴォスバーグステークスでも当時のレースレコードで勝利を収め、G1競走を2連勝した。

しかし、ブリーダーズカップ・スプリントではスタートで出遅れ、最下位に敗れた。この敗戦を機に、3歳で現役を引退、種牡馬入りすることとなった。エクリプス賞最優秀短距離馬の受賞は逃したものの、その短くも華々しい現役生活は、多くの競馬ファンの記憶に刻まれた。

種牡馬としての成功と日本への輸入

種牡馬となったヘニーヒューズは、当初はアメリカで供用され、初年度の種付料は4万ドルであった。しかし、産駒の活躍が期待されたほどではなかったため、種付料は下落。オーストラリアのレンジビュースタッドにトレードされた。

転機となったのは、彼の産駒であるビホルダーの活躍である。ビホルダーはブリーダーズカップ・ジュヴェナイルフィリーズを制し、さらにブリーダーズカップ・ディスタフでも勝利、エクリプス賞を2年連続で受賞した。この活躍を受け、アメリカ合衆国のウォルマックファームがヘニーヒューズをシャトル種牡馬として迎え入れ、日本でもヘニーハウンドやケイアイレオーネといった産駒が重賞を制覇していたことから、2013年10月、日本に輸入されることとなった。

日本での初年度種付料は180万円。2014年の種付け頭数は優駿スタリオンステーションの歴代1位となる191頭という記録的な数字を達成した。その後もモーニンがフェブラリーステークスを制覇するなど、日本での産駒の活躍は目覚ましく、ヘニーヒューズは日本競馬における成功した種牡馬の一頭となった。一方、アメリカ合衆国ではビホルダーの活躍が目覚ましかったものの、他の産駒の活躍は限定的であった。

ヘニーヒューズの産駒は、日本だけでなく、アメリカ合衆国でも数多くの活躍馬を輩出した。彼の遺伝子は、多くの競走馬に受け継がれ、現代競馬に大きな影響を与え続けている。彼の活躍は、競走馬、そして種牡馬としての成功を物語るものと言えるだろう。また、日本競馬への貢献も非常に大きく、彼の功績は今後も長く語り継がれていくことだろう。

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