ヘボン塾

ヘボン塾とは

ヘボン塾は、アメリカ人宣教師ジェームス・カーティス・ヘボンによって、横浜居留地に設立された私塾です。この塾は、後の明治学院とフェリス女学院の源流となり、日本の近代教育に重要な役割を果たしました。

設立の経緯

1859年、ヘボン夫妻はアメリカを出発し、喜望峰を経由して日本に到着しました。当初、夫妻は神奈川宿の成仏寺に滞在し、1860年頃に妻のクララが5人の少年を集めて私塾を開設しました。これが、アメリカ長老教会の宣教師による日本での教育事業の始まりです。

1862年、ヘボンは神奈川奉行所からの依頼で、大村益次郎や原田一道ら幕府の委託生9名に教育を施しました。同年、ヘボンは自ら設計した横浜居留地の宣教師館に住居を移転します。

1863年、一時帰国していたクララが戻り、秋に生徒を募集して私塾を再開しました。これが、一般的に「ヘボン塾」として知られる教育機関です。クララが英語を教え、ヘボンは医学を教えました。主な生徒には、高橋是清、鈴木六三郎、林董、佐藤百太郎、沼間守一、服部綾雄、石本三十郎、益田孝、三宅秀などがいます。

ヘボン塾の教育

ヘボン塾では、英語と医学を中心に、幅広い知識と教養を身につけるための教育が行われました。生徒たちは、単に知識を学ぶだけでなく、キリスト教の精神に基づいた人格形成も重視されました。ヘボンの教育は、生徒たちの将来に大きな影響を与え、日本の近代化に貢献する人材を数多く輩出しました。

その後の歴史

ヘボン塾は、ヘボン夫妻が上海に滞在したり、一時帰国したりしたことで中断された時期もありましたが、1876年にジョン・クレイグ・バラに引き継がれるまで継続されました。その後、ヘボン塾の精神は、明治学院やフェリス女学院に受け継がれ、今日に至っています。

明治学院は、開学年をヘボン塾が開校した1863年としています。これは、ヘボン塾が明治学院のルーツであることを明確に示しています。ヘボン塾の教育理念と歴史は、日本の教育史において重要な位置を占めています。

まとめ

ヘボン塾は、アメリカ人宣教師ヘボン夫妻によって設立された私塾であり、明治学院とフェリス女学院の源流です。ヘボン夫妻の教育理念は、日本の近代教育に大きな影響を与えました。この塾から巣立った多くの人材は、日本の近代化に大きく貢献しました。

参考文献

『長老・改革教会来日宣教師事典』新教出版社

外部リンク

発展系統図 – 学校法人[[明治学院]]

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