ヘンタイよいこ新聞

ヘンタイよいこ新聞の概要

「ヘンタイよいこ新聞」は、パルコ出版のサブカルチャー誌『ビックリハウス』に連載されたユニークな読者投稿記事です。1980年11月号から1982年7月号までの間、糸井重里が編集責任者を務め、後に単行本が刊行されました。雑誌の略称は「ヘンよい」で、書籍版のアートワークは横尾忠則によって手掛けられました。

コンセプトとスタイル

この新聞は、読者を「ヘンタイよいこ」「セイジョーよいこ」「ヘンタイわるいこ」「セイジョーわるいこ」という四つのカテゴリーに分類し、主に「ヘンタイよいこ」を対象とした機関紙としています。投稿者は糸井が提供した10のテーマについて考察し、それに対する回答を記述する形式を基本としていました。

提示されたテーマは以下の通りです：

• - A. キモチワルイものとは何か。
• - B. コワイものとは何か。
• - C. キモチイイものとは何か。
• - D. オイシイものとは何か。
• - E. スケベなものとは何か。
• - F. オカシイものとは何か。
• - G. キタナイものとは何か。
• - H. カワイイものとは何か。
• - I. ホシイものとは何か。
• - J. ビンボーとは何か。

また、他にも「私たちの水戸黄門」「明るい農村便り」といったオリジナルのコーナーも設けられ、多様な視点からの意見が寄せられました。特に、投稿者は『ビックリハウス』の読者層である10代後半の若者が多く、糸井によるコメントも付加されて、参加者の表現をさらに豊かにしていました。

投稿者と寄稿者

この新聞には多くの名も無き才能が集まりました。無名時代の編集者みうらじゅん、イラストレーター和田誠、さらには文学や音楽で知られる大槻ケンヂ（筆名：ビッグムーン大槻）などが投稿者として登場しました。単行本には、YMOのメンバーや著名な作家たちも寄稿し、その存在感を増していきました。

寄稿者には、村上春樹や南伸坊、橋本治といった各界で著名なクリエイターたちが名を連ね、彼らの多様な視点もこの新聞を彩りました。

応援者の存在

単行本化の際には、タモリや岸本加世子、アラン・ブノア、ビートたけしなど、さまざまな著名人から応援の言葉が寄せられました。彼らのコメントは、糸井重里と「ヘンタイよいこ新聞」の活動を支持するものであり、その影響を如実に示すものでした。

最後の集会

連載が終了した後の1982年5月5日には、品川で「糸井重里プレゼンツ ヘンタイよいこ白昼堂々秘密の大集会」というイベントが開催されました。糸井自身が登壇し、井上陽水や高橋幸宏、篠原勝之などのアーティストたちも参加しました。このイベントでは、忌野清志郎や坂本龍一、矢野顕子による「へんたいよい子バンド」が演奏し、彼らのパフォーマンスは観客を魅了しました。

このように「ヘンタイよいこ新聞」は、ただの投稿記事に留まらず、サブカルチャーの熱気を一身に受け止め、多様なクリエイターたちの声を集めた貴重な文化遺産といえるでしょう。

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