南伸坊

南伸坊 (みなみ しんぼう)

南伸坊（本名: 南伸宏）は、1947年に東京都世田谷区で生まれた日本の編集者、イラストレーター、エッセイスト、漫画家です。彼はその独特な感性と作品の幅広さから、日本の現代アートシーンにおいて重要な人気人物の一人として知られています。彼のペンネームは、宮武外骨の『滑稽新聞』に登場する絵師「墨池亭黒坊」に由来しています。

経歴と人物

南は幼少期からデザインに強い関心を持ち、特に広告看板などの視覚芸術に魅了されていました。東京都立工芸高等学校のデザイン科を卒業後、東京芸術大学デザイン科を受験しましたが、不合格。その後、美学校で赤瀬川原平に学び、1970年に卒業しました。彼は赤瀬川や松田哲夫と共に「櫻画報社」を創設し、各種雑誌を手がけました。

1972年には、赤瀬川らと共に「トマソン」と呼ばれる現象を発見し、著作やパフォーマンスを通じてその概念を広めました。青林堂に転職後、『ガロ』の編集長を務め、「面白主義」を提唱することで雑誌の方向性を変化させました。特に、糸井重里との共同制作による「ペンギンごはん」シリーズは多くの読者に支持されました。

1979年にはフリーランスとして活動を始め、独自の文体でエッセイを執筆し、コミカルな視点を持つ作品で名を馳せました。2012年から2014年には東京イラストレーターズ・ソサイティの副理事長、そして2018年には理事長に就任するなど、イラストレーター界でも重要な役割を果たしました。

主な作品

南の作品には、エッセイ、イラスト、漫画など様々なメディアが含まれています。特に、彼のエッセイには自らが描いたイラストが添えられており、視覚と文章のコラボレーションが特徴です。例えば、『面白くっても大丈夫 ウルトラ・ファイティング・エッセイ』や『ハリガミ考現学』など、多くの書籍を世に送り出してきました。

また、南はキャラクターデザインにも関与しており、任天堂のゲーム『MOTHER』のキャラクターなども手がけています。書籍における装幀にも数多く携わっており、特に第29回講談社出版文化賞のブックデザイン賞を受賞したことから、その評価が伺えます。

エピソードと活動

活動の幅広さに加えて、南は1980年に渡辺和博との合同結婚式を挙げるなど、個人的なエピソードが興味を引きます。パフォーマンス集団「HAND-JOE」を結成し、音楽活動にも参入。兵庫県立近代美術館でのパフォーマンスは非常に注目されました。また、テレビCMなどにも出演し、さまざまなメディアでその顔を見せています。

まとめ

南伸坊は、その多才な才能とユニークな視点を持つクリエイターとして、多くの人々に影響を与え続けています。彼の作品は、固定観念にとらわれない独自の視点を映し出し、見る人に新たな発見と楽しさを提供しています。

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