ベストモータリング

ベストモータリングとは

『ベストモータリング』は、株式会社2&4モータリング社が発行していた月刊のカー・ビデオマガジンです。この雑誌は、自動車メディア「ベストカー」の映像版として1987年12月に創刊され、主に国内の著名なレーシングドライバーが行う車両インプレッションやその他の特集を中心にした内容が特徴でした。

創刊までの経緯と内容

『ベストモータリング』は「ベストカー」の映像展開としてスタートし、多くの著名な自動車評論家やレーシングドライバーが出演してきました。特に、竹平素信や徳大寺有恒といった著名なドライバーが過去に出演していたことでも知られています。1991年には、チューニングカーを扱う兄弟誌「ホットバージョン」が創刊され、こちらも現在まで続いています。

この雑誌は、元々VHS形式で販売されていましたが、後にDVDに移行し、2008年には60分の収録で2,100円で販売されていました。「ベスモ」という略称も広まり、商品パッケージには「Best MOTORing」のロゴがデザインされています。2009年からは、収録映像のサイズが16:9になり、視覚的にも楽しめる内容が増えました。

動画配信と著名な出演者

2002年には、東京通信ネットワークとの提携によって「ベストモータリング.jp」が設立され、新車のレビューや人気レーサーによるドライビングテクニックに関するコンテンツも供給されるようになりました。しかし、2011年に休刊が発表され、2&4モータリング社も消滅しました。休刊後は、動画の権利が「ホットバージョン」に引き継がれ、2016年からYouTubeに公式チャンネルを設立し、過去の映像の一部を配信しています。

優れたキャスターたち

『ベストモータリング』には、多くの著名なキャスターが出演しており、黒澤元治や中谷明彦、服部尚貴などがその代表的な存在です。1990年代後半には大井貴之も編集長やキャスターとして活躍し、その後はスポット出演に変わっています。また、ナレーションでは神谷明をはじめとした声優陣が多くのエピソードで視聴者に親しまれました。

主な特集や企画

休刊するまでの間、『ベストモータリング』ではさまざまな特集が展開されました。ニューカーインプレッションでは、レーシングドライバーが各車をサーキットで試乗し、最速車を決定するサーキットバトルなども行われました。さらに、パニックブレーキランキングやサスペンション検定といったテーマもあり、ドライビングスキルや車両性能を際立たせました。

休刊とその理由

『ベストモータリング』が休刊する理由として、若者のクルマ離れやDVD販売の減少が挙げられました。また、後年、編集内容の偏りが問題視され、理念的に葛藤を感じたキャスターも少なくありませんでした。初代編集長は、あのような内容になってしまったのなら休刊もやむを得ないと述べています。

エピソード

特に印象的なエピソードの一つには、1996年の福島県筑波サーキットでの無差別級バトルがあります。黒澤元治が運転するポルシェのトランスミッションが故障し、スローダウンした際に中谷明彦のスカイラインGT-Rとの間で衝突回避のための緊急操作が行われる一幕がありました。こうしたエピソードは、ドライビングテクニックを解説するためのビデオスペシャルに繋がりました。

『ベストモータリング』は、その活発な映像コンテンツと魅力的なキャスターたちによって、多くの自動車ファンに愛されたメディアでした。

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