ベズイミアニ山

ベズイミアニ山とは

ベズイミアニ山は、ロシアのカムチャツカ半島に位置する成層火山で、標高は2,882mです。その名称はロシア語で「無名」を意味します。カムチャツカ半島中東部のクリュチェフスカヤ火山群に属し、安山岩質の火山です。この火山は、活発な火山活動を続けており、過去には大規模な噴火も発生しています。

1955-56年の噴火

ベズイミアニ山は、1955年まで噴火記録がなく、死火山と考えられていました。しかし、1955年9月29日から火山性地震が頻発し、10月22日に有史初の噴火を起こしました。その後、ブルカノ式噴火を繰り返し、大量の火山灰を噴出しました。一時的に小康状態になったように見えましたが、1956年3月30日には大規模な山体崩壊を伴う大噴火が発生しました。

この大噴火では、山頂部が285m吹き飛び、標高は3085mから2800mに低下しました。噴煙は火口上空35～40kmに達し、火山爆発指数は5を記録しました。この噴火で放出された噴出物の総重量は6.7×109tと推定されています。噴火後、山頂には馬蹄形の火口が出現し、溶岩ドームが形成されました。この一連の噴火は、地震が引き金となり山体崩壊が発生し、大規模な噴火と溶岩ドーム形成に至った点で、1980年のセント・ヘレンズ山噴火と類似しています。

また、1952年のカムチャツカ地震の3年後にこの噴火が発生したことから、一連の地震活動と噴火が関連している可能性も指摘されています。

近年の噴火活動

近年においても、ベズイミアニ山は活発な火山活動を続けています。

2010年2月11日には、クリュチェフスカヤ山と同時に噴火しました。
2019年3月16日には、噴煙が上空15,000mまで到達する噴火が発生しました。
* 2022年5月28日には、準プリニー式噴火と見られる大規模な噴火が発生し、噴煙は高度15,000mに達しました。この噴火の影響で、アメリカ発の航空便に最大24時間の遅延が発生しました。

これらの噴火活動は、ベズイミアニ山が依然として活発な火山であることを示しています。今後の火山活動にも注意が必要です。

外部リンク

Bezymianny - Smithsonian Institution: Global Volcanism Program

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