ベッツィー・ロールズ

エリザベス・アール・「ベッツィー」・ロールズ（Elizabeth Earle "Betsy" Rawls、1928年 5月4日 - 2023年10月21日）は、アメリカ合衆国のプロフェッショナルゴルファーであり、LPGAツアーで輝かしいキャリアを築きました。LPGAツアーにおいて、彼女はメジャー大会での8勝を含む、歴代でも有数の通算55勝を記録。その功績が認められ、世界ゴルフ殿堂とLPGAツアー殿堂の両方に名を連ねています。

幼少期と学問への情熱

サウスカロライナ州スパルタンバーグに生を受けたロールズは、幼い頃にテキサス州アーリントンへ移り住みました。学生時代は学業で優れた才能を発揮し、ラブレディーハイスクールを卒業後、現在のテキサス大学アーリントン校であるノーステキサス農業大学で物理学を専攻。新入生でありながら、教授陣や学部長から物理学分野の秀才として認められ、名誉ある会員に選ばれています。その後、テキサス大学オースチン校へ編入し、1950年に物理学の学士号を取得して卒業しました。

アマチュア時代の活躍

ゴルフとの出会いは17歳と比較的遅咲きでしたが、その才能はすぐに開花します。アマチュアとしてプレーした時期に、1949年と1950年のテキサスアマチュア選手権を連覇。さらに、1949年にはトランスナショナル、1950年にはブロードムーア招待でも勝利を収めました。1950年の全米女子オープンでは、アマチュアの立場で出場し、ベーブ・ザハリアスに次ぐ準優勝という成績を残し、その実力を広く知らしめました。

プロ転向と栄光の記録

1951年、ロールズはプロゴルファーとしての道を選び、LPGAツアーに参戦します。転向初年度にはサクラメント女子招待オープンでプロ初優勝を飾り、その後も快進撃を続けました。キャリアを通じて、LPGAツアーで通算55勝を積み重ね、特に全米女子オープンで4回、女子ウェスタンオープンで2回、LPGA選手権で2回と、合計8つのメジャータイトルを獲得しました。

彼女は競争の激しいLPGAツアーで常にトップレベルを維持し、1959年にはシーズン最少平均ストロークを記録した選手に贈られるベアトロフィーを獲得。さらに、1952年と1959年には賞金女王に輝き、合計9回にわたり賞金ランキングでトップ10入りを果たしました。年間最多優勝回数でも、1952年に8勝、1957年にパティー・バーグと並ぶ5勝、そして1959年にはキャリアハイとなる10勝を挙げるなど、3度にわたってその年の最多勝選手となっています。

ゴルフ界への多大な貢献

プレーヤーとしての活躍に加えて、ロールズはゴルフ界の運営にも深く関わりました。1961年から1962年にかけてはLPGAの会長という重責を担い、ツアーの発展に尽力。1967年にLPGAツアー殿堂が設立された際には、最初に殿堂入りを認められた栄誉ある6名の一人に選ばれています。LPGAは、ロールズの世界ゴルフ殿堂入りを1960年と認識しており、これは女子ゴルフ界における彼女の草分け的な存在と影響力を示しています。

1975年にトーナメント競技から引退した後も、彼女はLPGAツアーに貢献し続けました。ツアーのトーナメントディレクターとして裏方から大会運営を支え、特に1987年から2004年までの長きにわたり、デュポンカントリークラブで開催されたマクドナルドLPGA選手権のトーナメントディレクターを務めました。その長年のキャリアを通じて示されたスポーツマンシップが高く評価され、1996年には全米ゴルフ協会 (USGA) からゴルフにおける最高栄誉の一つとされるボブジョーンズ賞が贈られています。

ベッツィー・ロールズは、卓越したプレーヤーとしてだけでなく、リーダーシップを発揮し、引退後もゴルフ界の発展に貢献した真のレジェンドとして、その名を歴史に刻んでいます。

主なLPGAツアー優勝（55勝中、メジャー8勝）

全米女子オープン: 1951, 1953, 1957, 1960
女子ウェスタンオープン: 1952, 1959
LPGA選手権: 1959, 1969
その他、多数のツアー優勝（合計55勝）

彼女の輝かしい記録とゴルフ界への貢献は、今後も長く語り継がれることでしょう。

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