ベツレヘム県

ベツレヘム県は、パレスチナ自治区のヨルダン川西岸地区南部に位置する県です。アラビア語では「 محافظة بيت لحم Muḥāfaẓat Bayt Laḥm 」、ヘブライ語では「 נפת בֵּית לֶחֶם Nafat Beit Leḥem 」と表記されます。県都は、キリスト生誕の地として知られるベツレヘム市です。

地理と人口

ベツレヘム県の面積は659平方キロメートルで、西岸地区全体の約11.7%を占めています。これは、西岸地区の11県中3番目の広さです。2014年7月1日時点の人口は21万500人で、西岸地区の人口の約7.5%を占め、11県中6位となっています。人口密度は1平方キロメートルあたり319.4人です。

イスラエルによる占領

ベツレヘム県は、その大部分がイスラエルによる占領下にあります。パレスチナ解放機構によると、2020年現在、県の約87%がイスラエルの占領下にあり、県内には18の違法なユダヤ人入植地が存在します。これらの入植地はベツレヘム市街を取り囲むように建設されており、ギブ・アット・ハマトス入植地やイスラエルが建築した分離壁により、エルサレムとベツレヘム市街地は分断されています。また、マル・エリアス修道院はベツレヘムから切り離され、孤立した状態になっています。

2019年には、イスラエルはユダヤ民族基金の資金を使って、世界遺産であるバティールの一部、アル・マクルールに新たな入植地を建設しました。2020年だけでも、イスラエルは県内に5522棟の入植を許可し、工業団地の建設許可も行いました。また、私設のプネイ・ケデム入植地を公認しました。さらに、県内では約1530本のパレスチナ人の林業・農業用樹木がイスラエルによって伐採されました。

人口推移

ベツレヘム県の人口は以下の通り推移しています。

1997年12月10日：13万7286人
2007年12月1日：17万6235人
2014年7月1日：21万500人

隣接県

ベツレヘム県は以下の県と隣接しています。

北：エルサレム県
東：死海
南：南部地区
南西：ヘブロン県
西：南部地区
北西：エルサレム地区

主要都市

ベツレヘム県には以下の主要都市があります（人口は2014年7月1日時点）。

ベツレヘム：3万200人（県都）
バティール：4696人

政治

ベツレヘム県は左翼政党が盛んで、2006年の選挙ではパレスチナ解放人民戦線とパレスチナ代替党が、全国で最大の得票率を獲得しました。

難民キャンプ

ベツレヘム県内には以下の難民キャンプがあります。

アイダ・キャンプ
アッザ・キャンプ
ドハイシャ・キャンプ

ベツレヘム県は、歴史的・宗教的に重要な場所である一方で、イスラエルによる占領や入植地問題、難民問題など、多くの課題を抱えている地域です。

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