ベティ・デイビスの瞳

ベティ・デイビスの瞳 (Bette Davis Eyes)

「ベティ・デイビスの瞳」（原題：Bette Davis Eyes）は、1981年にキム・カーンズがカバーし、世界的な大ヒットとなった楽曲です。作詞・作曲はドナ・ワイスとジャッキー・デシャノンが手掛けました。

誕生の背景

ジャッキー・デシャノンは1975年のアルバム『New Arrangement』の制作時に、セッション・シンガーのドナ・ワイスと楽曲を共作しました。その一つが本作品です。デシャノンによれば、曲の着想はベティ・デイヴィスが主演した1942年の映画『情熱の航路』から得たとのことです。

キム・カーンズによるカバー

デシャノンのオリジナル・バージョンは、戦前のジャズ風のアレンジが特徴でした。キム・カーンズとプロデューサーのヴァル・ギャレイは、この曲をカバーするにあたり、メロディーと全体の雰囲気をよりダークで忘れがたいものにするため、3日間かけてスタジオでリハーサルを重ねました。キーボード担当のビル・クオモがシンセサイザー（Sequential Circuits Prophet-5）のリフを考案し、翌日、わずか1回のテイクでレコーディングが完了しました。オーバーダビングは一切行われなかったと言われています。

1981年3月、シングルとして発売された「ベティ・デイビスの瞳」は、B面にカーンズ自身が書いた「あなたのいない夜（Miss You Tonite）」を収録。同年4月には、アルバム『私の中のドラマ（Mistaken Identity）』にも収録されました。

世界的な大ヒット

1981年5月16日から6月13日にかけて、ビルボード・Hot 100で5週連続1位を獲得。一時、スターズ・オン45の「ショッキング・ビートルズ45」にその座を明け渡しましたが、その後再び1位に返り咲き、4週連続で1位を記録しました。アメリカのみならず、フランス、オーストラリア、西ドイツ、イタリア、スペイン、スイス、ノルウェー、南アフリカなど、世界各国のチャートで1位を獲得。1981年のビルボード年間チャートでも1位に輝くなど、驚異的な大ヒットとなりました。ラッセル・マルケイが監督したミュージックビデオも制作され、世界中で放映されました。

グラミー賞受賞

1982年2月に開催された第24回グラミー賞では、最優秀レコード賞と最優秀楽曲賞を受賞し、その音楽的な評価も確立しました。

その他のバージョン

「ベティ・デイビスの瞳」は、数多くのアーティストによってカバーされています。以下はその一部です。

ザ・チップマンクス - 1982年のアルバム『Chipmunk Rock』に収録。
シルヴィ・バルタン - 1982年のライブ・アルバム『Live in Las Vegas』に収録。
プリマ・ヴェーラ - 1985年のアルバム『Den 5te』に収録。ノルウェー語詞によるカバーで、タイトルは「Ivar Medaas øyne」。
グウィネス・パルトロー - 2000年公開の主演映画『Duets』で披露。
* ブラッド・ロバーツ - 2001年のアルバム『Crash Test Dude - Brad Roberts Live Singing Your Favorite Hits』に収録。

「ベティ・デイビスの瞳」は、時代を超えて愛される名曲として、その輝きを放ち続けています。

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