ジャッキー・デシャノン

ジャッキー・デシャノン：先駆的な女性シンガーソングライターの軌跡

ジャッキー・デシャノン（Jackie DeShannon、本名シャロン・リー・マイヤーズ）は、1941年生まれのアメリカ合衆国のシンガーソングライターです。彼女は、ロックンロール時代における最初の重要な女性シンガーソングライターの一人として知られています。

幼少期と音楽への目覚め

幼い頃から音楽に親しみ、6歳で地元のラジオ番組に出演しカントリー音楽を歌っていました。11歳になる頃には、自身のラジオ番組を持つほどの才能を発揮していました。その後、家族の事情でイリノイ州へ移住しますが、音楽への情熱は衰えることなく、高校時代には地元の新聞で特集が組まれるなど、その才能は広く知られていました。

音楽キャリアの始まり

シェリー・リー、ジャッキー・ディーなど様々な名前で音楽活動を開始し、1957年にはジョージ・ゴールドナーのGoneレーベルと契約。「I'll Be True」でデビューを果たします。1960年代に入ると、リバティ・レコードと契約し、芸名をジャッキー・デシャノンと改めます。これは、リバティの幹部がシャロン・マイヤーズという名前ではレコードの販売には不向きだと考えたためでした。

ヒット曲とソングライターとしての才能

1963年には「ピンと針」が、全米84位の小ヒットながらも、イギリスのザ・サーチャーズによってカバーされ、全英1位を獲得。これにより、デシャノンの名は世界的に知られるようになります。また、ソングライターとしても才能を発揮し、ブレンダ・リーの「ダム・ダム」、マリアンヌ・フェイスフルの「カム・アンド・ステイ・ウィズ・ミー」など、数々のヒット曲を提供しています。

1960年代の音楽シーンでの活躍

1964年には、ビートルズの最初の米国ツアーをサポートし、ライ・クーダーとツアーバンドを結成しました。また、アーマ・トーマスやトレーシー・ウルマンがカバーした「ブレイクアウェイ」をシャロン・シーリーと共作。1965年には、ジミー・ペイジと作詞作曲のパートナーシップを結び、マリアンヌ・フェイスフルの楽曲などを手がけました。

「恋をあなたに」とその後

1969年には、自作曲「恋をあなたに」が全米7位、カナダ1位の大ヒットを記録。この曲は、1979年に国連総会で演奏され、後にアニー・レノックスとアル・グリーン、ドリー・パートンなど、多くのアーティストによってカバーされています。1970年代以降も、アトランティック・レコードやコロンビア・レコードでアルバムを制作し、音楽活動を続けました。

「ベティ・デイビスの瞳」とソングライターとしての再評価

1981年には、キム・カーンズが歌った「ベティ・デイビスの瞳」が世界的な大ヒットとなり、翌年にはグラミー賞最優秀楽曲賞を受賞。デシャノンはソングライターとして再評価されることになります。

その後

21世紀に入ってからも、オリジナルアルバムのリリースや過去の楽曲の新録音など、精力的に活動を続けています。2010年にはソングライターの殿堂入りを果たし、その功績が讃えられました。また、エンターテインメント放送番組の特派員として、ビートルズに関するニュースを伝えるなど、多岐にわたる活動を展開しています。

ジャッキー・デシャノンの音楽は、時代を超えて多くの人々に愛され続けています。

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