ベネリ M4 スーペル90

ベネリ M4 スーペル90について

ベネリ M4 スーペル90（Benelli M4 Super 90）は、イタリアの名門ベネリ社が製造する軍用散弾銃です。このモデルは、1999年にアメリカ海兵隊に正式に採用され、以降その信頼性と性能から多くの国々で使用されています。

開発の背景

本銃は、1998年5月4日にアメリカ軍が12ゲージの弾薬を使用するセミオートマチック散弾銃を求め、この要求に応じて、ベネリ社が5丁の試作品を提供しました。これらの試作品は、同年8月4日に納入され、その後のテストに耐え、1999年にはM1014という名称で正式採用されました。アメリカ海兵隊向けにおいては、初期の2万丁が供給され、彼らの任務において重要な役割を果たしています。

日本国内では、法律に基づいて装弾数が3発以下に制限されたチューブ式マガジン仕様のものに限り、猟銃としての所持が可能です。ただし、独立型のピストルグリップの所持には公安委員会の許可が必要で、これには厳しい条件があるため、許可を取得するのは難しいことが多いです。

主な特徴

M4の最大の特徴は、その作動方式です。従来の反動利用式から、最新のガス圧利用式A.R.G.O.システム（Auto Regulating Gas Operated-System）へと変更されています。このシステムは、弾薬の種類や装薬量にかかわらず、安定した作動を実現しています。具体的には、ガスピストンをチャンバーのすぐ前に設置し、ガスプラグによって弾薬の特性に応じた自動調整を行います。しかし、非殺傷用などの低威力弾薬を使用する場合は、ボルトの手動操作が必要になることがあります。

装弾数は、2.75インチのショットシェルで7発、3インチのショットシェルで6発とされています。

M4は、過去のモデルに比べ部品の点数を減少させ、軽量化と信頼性を高めています。特にポンプアクション機構を省略したことで、運用の効率が向上しました。また、レシーバートップにはピカティニーレールが標準装備されており、これにより拡張性も確保されています。射撃精度の向上に寄与するゴーストリングリアサイトも搭載されています。

ストックには、防弾プレートを内蔵したタイプが用意されており、通常のショルダーストックとの併用で様々な使用条件に適応します。さらに、グリップ形状も多様化されており、独立型ピストルグリップと一体型のオーソドックスなストックが存在します。

使用国

Benelli M4は、アメリカ合衆国を始め、オーストラリア、イタリア（特殊介入部隊）、スロベニア（特殊部隊）、スペイン（国家警察特殊作戦部隊）、イギリス（イギリス陸軍）、台湾（海岸巡防署）、イラク（特殊作戦部隊）など、多くの国で広く使用されています。

結論

ベネリ M4 スーペル90は、その優れた性能と信頼性から、軍と警察の双方で重宝されている散弾銃です。特に、ガス圧利用方式の導入により、様々な環境下でも安定した運用が可能であり、今後も様々なフィールドでその姿を見ることができるでしょう。

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