ベネリM3

ベネリM3：多用途な高性能散弾銃

ベネリM3は、イタリアの銃器メーカー、ベネリ社が開発した散弾銃です。ベネリM1、M2の後継モデルとして登場し、その革新的な機構と高い性能から、世界中の軍隊、警察機関で採用されています。また、映画やゲームにも頻繁に登場する人気モデルです。

革新的な作動機構

ベネリM3の最大の特徴は、イナーシャシステムと呼ばれる特殊なセミオートマチック機構です。これは、反動を利用して作動するシステムで、従来のオートマチックショットガンの弱点であった連射速度の遅さを克服しています。さらに、フォアグリップ前方のリング操作により、セミオートとポンプアクションを切り替えることが可能です。

この切り替え機構は、状況に応じて柔軟な射撃を可能にします。例えば、速射が必要な場合はセミオート、威力の高い弾薬を使用する場合はポンプアクションというように使い分けることができます。この点が、同じく切り替え機構を持つフランキ社のスパス12を上回る速射性を実現しています。

また、ベネリM3はスパス12と比較して約1キロ軽量であり、従来のショットガンと変わらないフォルムであるため、取り回しの良さも優れています。しかし、この作動方式は、構造はシンプルですが、威力の異なる様々な弾薬に対応しづらいという欠点があります。また、銃本体をしっかり保持しすぎると、反動を吸収できずに作動不良を起こす可能性もあります。

前世代の機種と比較すると、セミ・ポンプ切り替え機構による重量増が先端部に集中しており、若干重量バランスが悪くなったとも言われています。

バリエーションモデル

ベネリM3には、様々なバリエーションモデルが存在します。

ストック付きピストルグリップモデル
クロムステンレスモデル
ストックレスのショーティーモデル

これらのバリエーションモデルは、使用目的や環境に合わせて選択できます。

各国での採用と日本での流通

ベネリM3はその完成度の高さから、アメリカの警察機関をはじめ、世界中のSWATチームが採用しています。日本国内でも、若年層の所持者を中心に狩猟用やスラッグ弾による静的射撃用として広く流通しており、軍用銃が手に入るのは珍しいとされています。

また、海上自衛隊もピストルグリップ・折り畳み銃床型のM3Tを採用しており、各護衛艦に搭載しています。

主な使用国

オーストラリア
カナダ（JTF-2が使用）
チェコ（チェコ陸軍と第601特殊部隊群が使用）
エストニア
フランス（フランス陸軍が使用）
インドネシア
アイルランド
日本
ニュージーランド（ニュージーランド軍が使用）
スペイン
ルクセンブルク

登場作品

ベネリM3は、その人気の高さから、数多くの映画、アニメ、ゲームに登場しています。

映画

『20世紀少年 第2章 最後の希望』
『亜人』
『寄生獣 完結編』
『ヒート』
『プロメテウス』

OV作品

『仮面ライダーアマゾンズ』

漫画・アニメ

『ソードアート・オンライン』
『逮捕しちゃうぞ SECOND SEASON』
『武心 BUSHIN』
『フルメタル・パニック? ふもっふ』

小説

『犬とハサミは使いよう』
『ピノキオ急襲』

ゲーム

『2SPICY』
『Paperman』
『TrueCombat:Elite』
『九龍妖魔學園紀』
『怪盗ロワイヤル-zero-』
『カウンターストライク』
『ソードアート・オンライン フェイタル・バレット』
『パーフェクトダーク』
『バイオハザードシリーズ』
『バトルフィールド2 モダンコンバット』
『マーセナリーズ』
『レインボーシックス』

まとめ

ベネリM3は、セミオートとポンプアクションの切り替え機構を持つ、非常に汎用性の高い散弾銃です。その高い性能と取り回しの良さから、軍や警察だけでなく、民間でも広く愛用されています。また、数多くのメディア作品に登場することで、その知名度も非常に高いと言えるでしょう。

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