ベラルーシ＝ロシア国境

ベラルーシ=ロシア国境の概要

ベラルーシとロシアの国境は、両国を隔てる境界線です。1991年以前は、ロシア・ソビエト連邦社会主義共和国と白ロシア・ソビエト社会主義共和国の境界を成していました。現在、国境は公的に存在しますが、ロシア・ベラルーシ連盟国創設条約とユーラシア経済連合の協定により、輸出入品の税関検査や関税は原則として行われていません。

国境線の総延長は1,239kmで、内訳は陸地部分が857.7km、河川が362.3km、湖沼が19kmとなっています。この国境は、両国間の経済的な結びつきと自由な移動を促進する一方で、安全保障上の重要な意味も持っています。

歴史

1991年12月のソビエト連邦崩壊後、ベラルーシ共和国とロシア連邦の国境が正式に制定されました。1995年5月には、ベラルーシのアレクサンドル・ルカシェンコ大統領とロシアのヴィクトル・チェルノムイルジン首相が、スモレンスク州を通る国境線上に象徴的な国境検問所を建設しました。同年7月には、両国間で生産された物品の相互輸入に関する税関手続きが撤廃され、第三国からの輸入品に課せられる関税が統一されました。これらの措置は、両国間の経済統合を推し進める上で重要な役割を果たしました。

国境警備隊は、ロシア側のプスコフ、スモレンスクと、ベラルーシ側のブレストに駐屯しており、国境外部の作戦を支援する司令官室が設置されています。この国境警備体制は、両国の安全を確保するための重要な要素となっています。

2011年4月1日には、正式に国境での税関管理が廃止されました。しかし、ベラルーシ運輸局は、車両の規格不備や書類の不備を発見した場合、運転者に対して不備を通知し、ロシア入国に必要な書類に関する助言を行います。また、ベラルーシの職員は、車両の不備に対処した証明書や必要な書類を提示しなければならないロシア側の国境検問所を案内します。この手続きにより、円滑な国境通過を確保しつつ、安全対策を維持しています。

2012年4月には、フロドナでベラルーシとロシアの国境委員会会議が開催され、連合国家の予算外で28億57百万ルーブルが国境に投入されることが決定しました。これらの資金は主に、ベラルーシ国境警備部隊が所有するヘリコプター2機や、ベラルーシ国境警備兵のロシア領での訓練費用に充当されました。この資金投入は、両国間の国境警備体制の強化に貢献しました。

近年の状況

ロシアとベラルーシの間を旅行する際、両国民には特別な出入国管理は行われません。しかし、2016年10月以降、ロシアの法律により、入国審査を受けていない第三国民がロシアに入国することが禁止されました。これにより、第三国民が陸路でベラルーシからロシアに旅行する際には、書類の厳格な確認と入国阻止が行われるようになりました。2018年1月には、陸路での国境通過地点は設けられていませんでしたが、翌2月にはロシア連邦保安庁が、ロシアへの入国を試みる第三国民のビザを審査するための検問所を国境に設置しました。

ベラルーシとロシアを結ぶ旅客機は、かつては国内線として扱われており、2017年5月までは出入国管理は行われていませんでした。しかし、2017年5月以降、ロシアでは両国間のフライトは国際線として扱われるようになり、第三国民には正式な出入国検査が行われるようになりました。ただし、ロシアとベラルーシの国民には、単純な身元確認以外の審査は行われません。これらの変更は、国境を越えた移動に関する新たな規制を示唆するものです。

これらの措置は、ベラルーシとロシアの国境における複雑な状況を反映しています。両国間の緊密な関係と自由な移動を促進する一方で、安全保障上の懸念に対処するための措置も講じられています。

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