ベリノイズ

ベリノイズとは

ベリノイズは、デジタル映像や画像において、ブロック圧縮技術を用いた際に発生する特有のノイズです。具体的には、画面上に矩形（長方形）の形状をした、周囲の色や明るさと異なる乱れとして現れます。このノイズは、映像や画像データの一部が欠落または破損した際に生じるもので、特に地上デジタル放送のように電波を利用して圧縮された映像を伝送する際に問題となることがあります。

しばしば、ベリノイズは「ドロップノイズ」とも呼ばれます。これは、伝送経路においてデータの一部が欠落（ドロップ）した結果、エラーブロックとして現れることに由来します。しかし、ベリノイズの発生原因はこれに限定されず、エンコーダーやデコーダーのバグ、記録媒体の破損など、様々な要因が考えられます。

ベリノイズとブロックノイズの違い

ベリノイズは、見た目がブロックノイズと似ているため、しばしば混同されることがあります。しかし、技術的には両者は全く異なる現象です。ブロックノイズは、圧縮の際にデータが削減された結果、ブロック単位で画質が劣化して発生するものです。一方、ベリノイズは、データ自体の欠落や破損によって発生するものであり、その原因が異なります。そのため、両者は区別して考える必要があります。

ベリノイズ発生のメカニズム

ブロック圧縮技術を採用した映像や画像は、通常、空間領域から周波数領域へと変換されます。この周波数領域で表現されたデータの一部が欠落または変化すると、デコード処理を経て映像や画像として展開された際に、そのデータが含まれるブロック内の全ての画素に影響が及びます。しかし、その影響はエラーブロック内にとどまるため、矩形上の乱れとして視覚化されます。

映像の記録や伝送には、誤り検出訂正という技術が用いられています。この技術によって、ある程度のデータ欠落や変化であれば、ベリノイズが発生するのを防ぐことができます。しかし、この誤り訂正能力を超えるレベルのデータ欠落や変化が発生すると、訂正しきれず、ベリノイズとして画面上に現れてしまうのです。

ベリノイズの発生原因

ベリノイズの主な原因は以下の通りです。

伝送路の障害: 電波伝送中に電波が弱くなったり、障害物に遮られたりすることでデータが欠落することがあります。これにより、ドロップノイズ（ベリノイズ）が発生します。
電子媒体の破損: SDカードやHDDなどの記録媒体が物理的に破損すると、記録されたデータの一部が失われることがあります。この場合、読み込んだ映像や画像にベリノイズが発生する可能性があります。
エンコーダーやデコーダーのバグ: 映像や画像を圧縮・展開するソフトウェアやハードウェアにバグがあると、正常なデコード処理が行われず、ベリノイズが発生することがあります。

まとめ

ベリノイズは、デジタル映像や画像におけるデータ欠落や破損が原因で発生するノイズであり、ブロックノイズとは異なる現象です。伝送路の障害や記録媒体の損傷、エンコーダーやデコーダーの不具合などがその要因として挙げられます。誤り訂正技術を導入しているにもかかわらず、その訂正能力を超えるほどのデータ欠落が発生した場合に、ベリノイズが視覚化されます。映像や画像の品質を維持するためには、これらの原因に対する対策が重要です。

関連項目

MPEG
* JPEG

もう一度検索