ベルギー高速鉄道3号線

ベルギー高速鉄道3号線（Hogesnelheidslijn 3, HSL 3）は、ベルギー東部のリエージュと、ドイツのアーヘン近郊の国境を結ぶ高速鉄道路線です。全長56kmの路線は、42kmが専用の高速線、14kmが既存の在来線を改良した区間で構成されています。技術的には2007年10月に完成していましたが、列車運行システムの不具合により、営業運転開始は2009年6月14日にずれ込みました。その後、2009年12月13日より、タリスがこの路線を経由するようになりました。

HSL 3は、HSL 2やフランス国境から続くHSL 1と合わせて、ブリュッセルからパリやドイツ方面への移動時間を大幅に短縮する役割を担っています。この路線は、タリスやICEといった国際列車だけでなく、国内の高速インターシティサービスにも利用されています。

路線経路

列車はリエージュ＝ギユマン駅を出発すると、まず改良された在来線を走行し、160km/hまで加速します。シェネー（Chênée）からは専用の高速線区間に入り、最高速度は220～250km/hに達します。

路線はヴェスドル川を渡り、ヴォー＝スー＝シェーブルモン（Vaux-sous-Chèvremont）とスマーニュ（Soumagne）の間にある、全長6.2kmのトンネルを通過します。その後、高速道路E40号線と並走し、ウォルホーン（Walhorn）の村の直後で、開削工法区間を通ってE40号線をくぐり、再び在来線に合流します。再び改良された在来線を160km/hで走行し、ハンマーブリュッケ高架橋（高速線計画で再建）を渡り、2km先で国境を越えます。

国境を越えると、列車は改良された在来線に沿ってアーヘン中央駅へと向かいます。ベルギー国内では列車は左側通行ですが、ドイツ国内、特にアーヘン付近では右側通行となります。この区間を走行するタリスやICE 3などは、どちらの通行方式にも対応できるよう、運転台が中央に配置されています。

主要駅

リエージュ＝ギユマン駅は、タリスやICEなどの国際列車に対応するために新しく建設されました。スペインの建築家サンティアゴ・カラトラヴァが設計を担当し、ガラス製のアーチ状の屋根が特徴的です。駅構内にはショッピングセンターも併設されています。

トンネル区間

路線で最も注目される建設プロジェクトは、全長6,505mに及ぶスマーニュ（Soumagne）トンネルです。このトンネルはベルギー国内で最長の鉄道用トンネルであり、掘削された区間は5,940m、それぞれ拡張・覆われた区間が177mと388mです。トンネル掘削は、硬い地質構造が複雑に組み合わさった場所で行われ、一部の石灰層はダイナマイトを使用して掘り進められました。

トンネルは、最も深い場所では127mに達し、平均勾配は17‰、最大勾配はスマーニュ入口で20‰となっています。一部区間では200km/hの速度制限が設けられています。トンネルの建設工事は、2001年5月14日から2005年8月にかけて行われました。

外部リンク

Tuc Rail België

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