ベルナール・テブネ

ベルナール・テブネは、1948年1月10日にフランスのソーヌ＝エ＝ロワール県サンジュリアン・ド・シヴリで生まれました。彼は、1970年代にロードレースで活躍した、もみあげがトレードマークの元自転車競技選手です。特に、1975年と1977年のツール・ド・フランスでの総合優勝は、彼の輝かしいキャリアを象徴する出来事です。

1968年、テブネはルート・ド・フランスとフランス国内ジュニア選手権で優勝し、その才能の片鱗を見せました。1970年にプロへ転向し、プジョーのメンバーとしてツール・ド・フランスに初出場。初出場ながら区間優勝を果たすという鮮烈なデビューを飾りました。

1972年には、ツール・ド・ロマンディで優勝。しかし、同年のツール・ド・フランスでは落車事故に見舞われ、一時的に健忘症となるアクシデントに見舞われます。チームはリタイアを勧告しますが、テブネはそれを拒否し、難関コースとして知られるモン・ヴァントゥの区間を見事制覇。その不屈の精神を示しました。1973年のツール・ド・フランスでは、ルイス・オカーニャに大差をつけられたものの総合2位に入賞しています。しかし、1974年は病気のため出場できませんでした。

1975年、テブネはドーフィネ・リベレで優勝。そして、この年のツール・ド・フランスで、彼のキャリアにおける最大のハイライトを迎えます。当時、前人未到の6度目の総合優勝を目指していたエディ・メルクスは、第15ステージのイゾアール峠で体調を崩し失速。一方、テブネはこのステージを制し、メルクスからマイヨ・ジョーヌを奪い取りました。続く第16ステージでもメルクスに3分近い差をつける区間連続優勝を果たし、そのまま総合優勝。メルクスの黄金時代に終止符を打ちました。

1976年のドーフィネ・リベレでは連覇を達成するも、ツール・ド・フランスは途中棄権。しかし、1977年のツール・ド・フランスでは、ハニー・クイパーやルシアン・バンインプらとの激しい競り合いを制し、2度目の総合優勝を果たしました。ただし、同年にはパリ～ニースでのドーピング陽性反応が発覚し、また、長期間にわたるステロイド剤の使用が疑われる症状も確認されています。

1980年にテカへ移籍してからは、目立った成績を残すことができず、1981年に引退。引退後は、RMOチームの監督を務めたほか、現在はテレビや雑誌での評論活動、グルノーブル6日間レースの運営委員などとして活躍しています。

主な戦績

1968年：ルート・ド・フランス 優勝、フランス国内ジュニア選手権 優勝
1972年：ツール・ド・ロマンディ 優勝
1975年：ツール・ド・フランス 総合優勝、ドーフィネ・リベレ 優勝
1977年：ツール・ド・フランス 総合優勝
* 1980年：グルノーブル6日間レース 優勝

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