ベルナール・ルイズ＝ピカソ

ベルナール・ルイズ＝ピカソ

ベルナール・ルイズ＝ピカソ（Bernard Ruiz-Picasso）は1959年9月3日、フランスのヌイイ＝シュル＝セーヌに生まれた実業家および美術品収集家です。彼は著名な画家パブロ・ピカソの孫であり、芸術界での活動を通じて祖父の遺産を引き継いでいます。

幼少期と家族

ベルナールは、父親が著名な画家パウロ・ピカソであり、パブロ・ピカソとその最初の妻オルガ・コクローヴァとの唯一の子供です。異母姉マリーナを含む彼らは、フランスの相続法に基づき、パブロ・ピカソの作品の正当な相続人とされています。これにより、ベルナールはピカソの作品の中で最も貴重なコレクションを持つ人物と見なされています。

2000年、彼はオーストリアのウィーンで自身のコレクションから選りすぐった70点を展示する展覧会を開催し、初めてそのコレクションを公にしました。これらの作品は、ピカソの多様性や革新性を感じさせるものであり、観客に強い印象を与えました。

現代美術と芸術財団の設立

1997年、ベルナールは画商のアルミン・レッシュと結婚し、現在はモナコに居住しています。夫妻は現代美術のコレクションを拡充し、2002年にはアルミン・ベルナール・ルイズ＝ピカソ芸術財団（FABA）を設立しました。この財団は、スペイン法に基づき、現代美術のプロモーションを行っています。ベルナールは共同会長として活動しており、相続したピカソ作品や夫妻が収集した現代美術作品を保有しています。財団の目的は、展覧会を通じて現代芸術家の創作活動を支援し、ピカソ作品に対する理解を深めることです。

2012年には、相続したボワジュルー城を一般公開し、ピカソのアトリエを含む歴史的なアート空間として利用されています。この城では、「Un Soir à Boisgeloup」などの現代美術展が開催され、観客に新たな文化体験を提供しています。

マラガのピカソ美術館

さらに、ベルナールは母クリスティーヌと共に、パブロ・ピカソの出生地スペインのマラガにピカソ美術館を設立しました。この美術館は2003年に開館し、ベルナールはその諮問委員会の会長を務めています。開館時には、自身のコレクションから180点を提供し、その後も定期的に様々な作品を美術館に貸し出しています。美術館はマラガ・ピカソ美術館財団によって運営されており、ピカソ作品の保存や展示、研究を目的としています。来館者は、ピカソの遺産を堪能できるだけでなく、教育プログラムや文化活動にも参加することができます。

展覧会と活動

展覧会の企画においても、ベルナールは重要な役割を果たしています。ウィーンのクンストフォルム、ドイツのテュービンゲン美術館との共同展は2002年にスタートし、1899年から1972年にかけてのピカソの絵画70点とキュビズム時代のデッサン約30点を展示しました。展覧会ではベルナールの個人的なコレクションの中から初公開となる作品もあり、多くの観客を魅了しました。

2017年には、パリのピカソ美術館で、彼の祖母であるオルガに捧げる展覧会の共同キュレーターを務め、その作品を評価し、広めるための活動を行いました。加えて、数々の特別展にも協力し、ピカソの芸術に対する理解を更に広げています。

著書と文化的貢献

ベルナールは著作活動も行い、詩集「Parfum de Sable」を1995年に出版しました。彼の文学活動は、芸術と文化の相互作用を示す重要な一面です。彼の努力によって、ピカソの作品の研究や理解が支えられ、世界中の人々にその魅力が届けられています。


ベルナール・ルイズ＝ピカソは、ピカソの遺産を次世代に継承し、現代美術の振興に貢献し続ける重要な存在です。

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