ベルムード2世

ベルムード2世の生涯

ベルムード2世（948/53年 - 999年）は、レオン王国の王として984年から999年にわたり治世を敷いた著名な君主です。彼は「痛風王」として知られ、その治世は波乱に満ちたものでした。

家族背景と王位簒奪

ベルムードはオルドーニョ3世の息子として生まれました。982年、彼はライバルであるラミロ3世に対抗するガリシアとポルトガルの貴族たちによって王位に推されます。この時期、レオン王国は950年代から続く王位継承の危機に苦しんでおり、ベルムードはその簒奪者としての役割を担ったのです。簒奪を支えたベルムード派はゴンサロ・メネンデスによって組織され、ラミロ3世を支持するロドリーゴ・ベラスケスが対抗していました。

同年、ベルムードはサンティアゴ・デ・コンポステーラ大聖堂での戴冠式を通じて正式に王位につきます。しかし、この戴冠式は当時の教会内の派閥対立の影響を受けており、ベルムードの即位は限られた支持のもとでのものでした。彼はこの混乱を克服しなければならず、特にカスティーリャ地方の支持が少なかったため、コルドバのカリフからの保護を必要としていました。

反乱と回復

ベルムードの治世の初期、特に991年から992年には、上級貴族たちの反乱に見舞われ、彼は国を追放されましたが、奇跡的に復活し反乱派と和解します。この過程で、彼はサモーラをイスラム教徒から奪還することに成功しますが、987年までに地域から完全に取り除くことはできず、これが後にアル・マンスールの報復を招くことになります。

イスラム軍との戦い

アル・マンスール率いるイスラム軍は、ベルムードの支配の下でレオンに対して進軍を開始し、996年にはアストルガを、997年にはサンティアゴを攻撃します。彼の治世の中、ベルムードは数回にわたって逃げなければならず、最終的にはサモーラに避難しました。彼の統治の脆弱さは、数々の外敵の侵略によっても露呈されました。

痛風と死

999年頃、ベルムードは痛風に苦しむようになり、病によって乗馬もできない状態に陥りました。その後、彼は担架での移動を余儀なくされ、同年ビリャヌエバ・デル・ビエルソでこの世を去ることとなります。最初はカラセード修道院に埋葬されましたが、その後レオン大聖堂に改めて埋葬されました。

家族

ベルムードは、最初の妻ベラスキタ・ラミレスとの間に娘クリスティーナを持ち、彼女はラミロ3世の子オルドーニョ・ラミレスと結婚しました。2度目の妻エルビラ（カスティーリャ伯ガルシア・フェルナンデスの娘）との間には3人の子供が生まれました。彼らは次の世代に引き継ぐべき重要な血脈を形成しました。特に、アルフォンソ5世（994年頃 - 1028年）がレオン王として名を馳せ、彼の遺志を受け継いでいきます。

ベルムード2世の治世は、政治的な混乱、宗教的対立、そして他国との戦争によって常に変動し続けるものでしたが、彼の存在はレオン王国の歴史において重要な位置を占めています。

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