ベルリン・コンツェルトハウス管弦楽団

ベルリン・コンツェルトハウス管弦楽団について



ベルリン・コンツェルトハウス管弦楽団は、ドイツのベルリンに位置する著名なオーケストラです。その活動の拠点としているのは、市内中心部にある歴史的建造物、コンツェルトハウス（かつてのシャウシュピールハウス）です。このオーケストラは、以前はベルリン交響楽団（Berliner Sinfonie-Orchester）という名称で知られていましたが、2006年に現在の名称へと改められました。なお、かつて西ベルリンに存在した同名のオーケストラ、ベルリン交響楽団（Berliner Symphoniker）とは異なる団体です。

歴史



楽団の起源は、1925年に設立されたベルリン交響楽団に遡ります。この団体は、それ以前に活動していたブリュトナー管弦楽団が改組される形で誕生しました。第二次世界大戦後の1952年、特に東ベルリンにおいては、クルト・ザンデルリングの指揮のもと、市の機関オーケストラとして再出発を果たします。ザンデルリングは1960年から1977年にかけて首席指揮者を務め、この時期に楽団は国際的な名声を確立しました。当時の主な演奏会場はメトロポール劇場であり、東ベルリンで開催されるコンサートの大部分を担っていました。

1977年にはギュンター・ヘルビッヒが首席指揮者に就任し、その後1984年にはクラウス・ペーター・フロールが指揮棒を引き継ぎました。この頃、カール・フリードリッヒ・シンケルによって設計され、後にコンツェルトハウスとして改装されたシャウシュピールハウスが、楽団の主要な本拠地となります。デンマーク出身の指揮者ミヒャエル・シェーンヴァントが首席指揮者であった1992年から1998年の間に、このオーケストラは正式にコンツェルトハウス・ベルリン専属のオーケストラとしての地位を確立しました。続くエリアフ・インバルが率いた時期には、ベルリン交響楽団として日本国内13都市を巡る15回のコンサートツアーをはじめ、スペイン、中国、韓国といったアジア諸国でも公演を行うなど、精力的な海外活動を展開しました。

2006年、当時の首席指揮者ローター・ツァグロセクのもとで、楽団は正式に「ベルリン・コンツェルトハウス管弦楽団」と名称を変更しました。2012年から2018年までハンガリー出身のイヴァン・フィッシャーが首席指揮者を務め、彼の退任後も名誉指揮者として楽団との関わりを続けています。2017年からは、ユライ・ヴァルチュハが楽団史上初の客演指揮者として活動を開始しました。2019年から2023年まではクリストフ・エッシェンバッハが首席指揮者を務め、2023年からは新たにヨアナ・マルヴィッツがその任を引き継いでいます。

楽団には多くの優れた演奏家が所属しており、2008年からは日本人ヴァイオリニストの日下紗矢子が第1コンサートマスターを務めています。

レコーディング



楽団の歴史的な録音としては、クルト・ザンデルリングやクラウス・ペーター・フロール指揮によるものが存在し、特に旧東ドイツのドイツ・シャルプラッテンやオイロディスクといったレーベルからリリースされています。

歴代首席指揮者



もう一度検索

【記事の利用について】

タイトルと記事文章は、記事のあるページにリンクを張っていただければ、無料で利用できます。
※画像は、利用できませんのでご注意ください。

【リンクついて】

リンクフリーです。