ベルンハルト・シュミット

ベルンハルト・シュミットの生涯と業績

ベルンハルト・シュミット（Bernhard Schmidt、1879年3月30日 - 1935年12月1日）はエストニア生まれの著名な光学技術者であり、ドイツで多数の光学機器を開発しました。彼の代表作であるシュミット式望遠鏡は、広視野での観測を可能にし、天文学の発展に大きく寄与しました。シュミットは1879年にエストニアのインゼル・ナルゲンに生まれ、幼少期をナッサール島で過ごしました。

幼少期と教育

シュミットの家ではドイツ語が使用され、彼はスウェーデン語を話す島民の中で育ちました。子供のころから科学に興味があり、特に海岸で海砂を使ってガラスを摺り合わせて凹面を作ることで遊んでいました。しかし、15歳の時、火薬を使った実験が原因で右手を失うという不幸に見舞われました。この事故にもかかわらず、彼は写真技師としての仕事を続け、1895年にはタリンに移り、写真家としてのキャリアを積むこととなります。

光学機器の製作

1900年にはドイツのザクセン王国に自身の工場を建設し、口径20cm程度の望遠鏡を製作しました。その後、ミットヴァイダで機械工学の教育を受け、光学機器の販売を開始します。1905年にはポツダム天体物理天文台のために直径44cmの高性能カセグレン式望遠鏡を製作し、その鏡は天文台長から絶賛されるほどの高品質でした。1914年には第一次世界大戦が勃発し、シュミットは敵性外国人として抑留され、機材の一部を取り上げられるなどの苦難を経験します。

天文学への貢献

戦後のドイツの経済的困難にも関わらず、シュミットは天文学における活動を続け、1920年にはベルゲドルフ天文台のために口径55cm及び60cmの放物面鏡を製作しました。これにより、彼はその後も同天文台で働き続け、天文学の発展に貢献します。1927年には天文台に近いハンブルクに移住し、自作の観測装置で木星や土星の写真撮影を始めました。

シュミット式望遠鏡の開発

1930年にはついにシュミット式望遠鏡を完成させます。この新型の望遠鏡は、その優れた設計から多くの天文台で使用されることになりました。初号機はハンブルク天文台の博物館に展示されています。

晩年と死

1935年12月1日、シュミットはオランダから帰国した直後に肺炎で亡くなりました。彼はハンブルク近郊に埋葬され、その後、同地にはシュミット博物館が設立され、彼の業績が称えられています。シュミットの残した功績は、今なお多くの研究者や愛好者に影響を与え続けています。

彼の業績は21世紀の今日においても刷新された技術、天文学の進展に寄与しており、シュミット式望遠鏡はその象徴的な存在となっています。

もう一度検索