ベーシックマスター

ベーシックマスターシリーズ

日立製作所が製造した「ベーシックマスター」は、1978年に登場した日本初の8ビットパソコンシリーズです。このシリーズは、個人利用や教育機関向けに多くの機種が展開され、国内外で広く普及しました。特に初代機のMB-6880は、日本におけるパーソナルコンピュータの先駆けとして位置付けられています。

初代モデルMB-6880

MB-6880は1978年に発売され、その正式名称は「日立マイクロコンピューター ベーシックマスター MB-6880」でした。当時、「パーソナルコンピュータ」という言葉自体が新しい概念であり、日立がこの用語をいち早く取り入れて広めたことが特徴です。家庭用テレビをモニターとして使用可能な設計により、より多くの家庭での利用を促進しました。

MB-6880は、なぜか「レベル1」として愛称され、これはその技術的な役割の重要性から来ています。この機種は、内蔵BASIC言語を搭載し、コストを抑えながらも多機能を持つことが強みとなりました。

シリーズの展開

1979年にはMB-6880L2が発売され、BASICの機能を拡張したモデルとして注目されました。続く1980年にはMB-6881が登場し、RAMの増設および価格改定が行われ、さらなる改良が施されました。

また、MB-6885として知られるベーシックマスターJr.が1981年に発売され、デザインや機能が改良され、ファミリー向けの5390年頃には教育市場をもターゲットにしました。このシリーズでは、家庭用ゲームや教育用途向けのソフトウェアも多数登場し、より身近な存在となりました。

ベーシックマスターレベル3

1980年にはMB-6890、いわゆるベーシックマスターレベル3が発売され、6809プロセッサを搭載することでさらに進化を遂げました。このモデルは、8ビットパソコンとしての性能を引き上げ、新しい機能やソフトウェアをサポートしました。

S1シリーズとその後

1984年にはS1シリーズが登場し、グラフィック機能やメモリーマッピングなど大幅な強化を果たしました。特にこのシリーズはMSXパソコンと比較されることが多く、当時のホビーパソコン市場において強い競争が繰り広げられました。

S1シリーズは、最終的に日立にとってのホビーパソコンとしての役割を果たしました。さらに、68000系CPUを搭載するなどの改革が行われつつも、パソコン市場は徐々に16ビットパソコンへと移行していきました。

ベーシックマスター16000と互換機

また、ベーシックマスター16000は16ビットモデルとして発売され、ビジネス用途に特化した高性能な仕様を持ちました。これにより日立は様々な市場に対応した製品展開を行いました。

まとめ

このように、ベーシックマスターシリーズは日本のパーソナルコンピュータの歴史において重要な役割を果たしました。特に教育機関や家庭において最初に親しまれたコンピュータとして、個人のコンピュータ利用を普及させた点で意義があります。近年では、技術史上の重要な資料としても注目されており、今後もその価値が見直されることでしょう。

もう一度検索