ベースボール・レコード・ブック

『ベースボール・レコード・ブック 日本プロ野球記録年鑑』は、ベースボール・マガジン社が1982年から毎年12月中旬に発行している、日本プロ野球の公式記録集です。この記録集は、プロ野球ファンや関係者にとって、欠かせない一冊となっています。

前身と歴史

この記録集の前身は、同社が発行する週刊誌「週刊ベースボール」で、記録アナリストの千葉功氏が1961年から連載している「記録の手帳」です。この連載は、プロ野球の記録を詳細に分析し、その歴史を伝える貴重なものでした。1981年シーズンまでの掲載内容を基に、1982年に「日本プロ野球記録史」シリーズ（全5冊）が刊行されました。さらに、2001年には、1982年から2000年までの連載をまとめた続編として、「プロ野球記録の手帳」が出版されています。

内容と特徴

『ベースボール・レコード・ブック』は、「記録の手帳」と「日本プロ野球記録史」の内容を基に、1シーズン1冊の形式で刊行されています。主な掲載内容は以下の通りです。

当該シーズンの日本野球機構（NPB）公式戦、オールスターゲーム、クライマックスシリーズ、日本シリーズの全試合詳細記録
NPB一軍公式戦の歴代記録
当該シーズンの全球団支配下登録選手の年度別一軍公式戦成績一覧

タイトルには西暦が使われていますが、刊行時期の関係で、掲載対象シーズンよりも1年先の年号が表記されます（例：『ベースボール・レコードブック2014』には2013年シーズンの記録を掲載）。1989年版（1988年シーズン版）以降は、NPB・BISの集計による公式記録が、NPBの許諾の下で活用されています。2000年版まではB6判でしたが、2001年版からはA5判にサイズアップされ、文字が大きく読みやすくなりました。

ただし、公式記録の集計や公表に関する制約により、守備関連の成績については、NPB公式サイトで公表されているシーズンデータ（過去8シーズン分のみ）に比べて情報が限られています。

2010年版までは、NPB二軍の公式戦全試合のスコアテーブルも掲載されていましたが、2011年版からは、価格とページ数を抑えるため、二軍の記録は個人・チームのシーズン通算成績、チーム別・カード別のスコア・責任投手、リーグ別の最終順位に絞り込まれました。また、巻頭にあった年表や回顧記事も割愛されました。しかし、2020年版からは、全球団の回顧記事が復活しています。

主な掲載項目

『ベースボール・レコードブック』には、以下のような詳細なデータが掲載されています（2014年版を基準）。

当該シーズンの記録
一軍公式戦全記録（チーム勝敗表、対戦成績、打撃・投手成績など）
交流戦全記録
表彰選手（月間MVP、タイトルホルダーなど）
記録スクランブル（特筆すべき記録）
個人年度別成績
選手名簿（監督、コーチ、支配下登録選手、育成選手）
二軍公式戦全記録
チーム勝敗表、対戦成績、打撃・投手成績など
二軍交流戦全記録
表彰選手
クライマックスシリーズ記録
カード別対戦成績
チーム別個人成績
日本シリーズおよび二軍日本選手権の記録
全試合のスコアテーブル、チーム別個人成績など
オールスターゲームおよびフレッシュオールスターゲーム
出場選手、ファン投票・選手間投票上位者
全試合のスコアテーブル
補足データ
日本シリーズ優勝チームのアジアシリーズ全試合スコアテーブル
ドラフト会議での交渉権獲得選手
日本プロ野球歴代記録（球団変遷図、年度別試合方式、優勝チーム、個人成績など）
ライフタイム・各種記録
一軍公式戦における通算記録、連続記録、シーズン記録など
詳細な打撃記録、走塁記録、投手記録
過去の掲載内容
球団別の回顧記事、プロ野球の主な記録と出来事（年表）、オールスター・日本シリーズ出場選手の個人成績など、国際試合の記録

特別企画
過去には、ドラフト会議の特集、外国人選手成績、珍記録、歴代ランキング、盗塁記録、代打記録、サヨナラゲーム、指名打者記録、ホームラン記録など、様々な特別企画が掲載されました。





『ベースボール・レコード・ブック』は、プロ野球の歴史と記録を深く知るための貴重な資料であり、長年にわたり多くのファンに愛され続けています。

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