ペシオンヴィル

ペシオンヴィルは、ハイチの西県、ポルトープランス郡に位置する都市です。首都ポルトープランスの東に隣接し、都市圏の一部を形成しています。2015年の推計人口は約37万6834人です。

歴史

ペシオンヴィルは1831年に建設され、南ハイチ共和国の初代大統領であるアレクサンドル・ペションにちなんで名付けられました。歴史的には、政治家、実業家、外国人の邸宅が建ち並ぶ高級住宅街として知られていましたが、近年では山麓の傾斜地にスラムが形成され、富裕層と貧困層が混在する地域へと変貌を遂げています。

近年の出来事

2008年9月7日には、ペシオンヴィルで学校倒壊事故が発生し、子供を中心に少なくとも93人が死亡、150人以上が負傷するという痛ましい事故が起こりました。

2010年1月12日には、ハイチ大地震が発生し、市内では病院が崩壊するなどの被害が出ました。地震後、アメリカ軍がペシオンヴィル・ゴルフ・クラブにテント村を設営し、5万人から8万人のハイチ人が避難生活を送りました。また、ゴルフ・クラブのテニス場には、アメリカ軍の第82空挺師団が駐屯しました。このゴルフ・クラブは1930年代に建設され、当時は約300人の会員がいました。クラブハウスは野外病院として使用されました。2月上旬には、イスラエルのイスラエイドとアメリカの国際祝福作戦が中心となり、テント村の子供たちのために教育施設が開設されました。この教育施設は当初、イスラエル国防軍の野外病院内に設置されていました。

2021年7月7日には、当時の大統領ジョブネル・モイーズがペシオンヴィルにある住宅で暗殺されるという事件が発生しました。

その他

在ハイチ日本国大使館: 市内に立地しています。
ガイ・フランソワ: 国軍の大佐。クーデターに2度失敗し、ペシオンヴィルの路上の車内で遺体で発見されました。
シグナルFM: ペシオンヴィルに所在するラジオ局です。
ドン・ボスコFC: ペシオンヴィルを拠点とするプロサッカーチームです。

ペシオンヴィルは、美しい自然と歴史的な背景を持つ一方で、貧困や災害といった多くの課題を抱える都市でもあります。

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