ペリカン便

ペリカン便とは

ペリカン便は、かつて日本通運（日通）が展開していた宅配便事業、およびそのブランド名です。2009年3月までは日通が、2009年4月からはJPエクスプレスが事業を引き継ぎましたが、2010年7月1日に「ゆうパック」に統合され、ブランドとしては消滅しました。ただし、一部のサービスは統合後も日本通運によって継続されています。

歴史

ペリカン便は、1977年に日通が「ペリカンBOX簡単便」としてサービスを開始したのが始まりです。その後、1981年に「ペリカン便」と名称を改め、1982年には海外への配送サービスを開始、1991年には速達サービスを開始するなど、事業を拡大していきました。

しかし、宅配便市場における競争激化により、日通のペリカン便事業は収益性が悪化します。そこで、日通は郵便事業株式会社（現日本郵便）と合弁でJPエクスプレスを設立し、ペリカン便事業を移管しました。これにより、ペリカン便はJPエクスプレスのブランドとして再スタートを切りました。

サービス内容

ペリカン便は、個人向け、法人向けに様々なサービスを提供していました。主なサービスは以下の通りです。

ゴルフペリカン便：ゴルフバッグの配送
スキーペリカン便：スキー用具の配送
空港ペリカン便：空港への配送
クールペリカン便：冷蔵・冷凍品の配送
コレクトペリカン便：代金引換サービス
スーパーペリカン便：航空便を利用した速達サービス
海外ペリカン便：海外への配送サービス

これらのサービスは、JPエクスプレスへの移管後も基本的に継続されましたが、一部サービスは日本通運によって引き続き提供されていました。

JPエクスプレスへの移行

2009年4月、ペリカン便事業はJPエクスプレスへと移管されました。これに伴い、電話番号が変更されたり、営業所の名称が変更されたりといった、様々な変更が行われました。また、送り状のデザインも変更され、JPエクスプレス独自のものが使用されるようになりました。

ゆうパックへの統合

JPエクスプレス発足後、事業は必ずしも順調とは言えず、赤字が拡大しました。そのため、2010年7月1日に、JPエクスプレスの事業は日本郵便に譲渡され、ペリカン便は「ゆうパック」に統合されることになりました。これにより、ペリカン便のブランドは消滅しましたが、ペリカン便で提供されていたサービスの一部は、ゆうパックに引き継がれる形で現在も利用できます。

サービス終了後の状況

ペリカン便のサービスはゆうパックに統合されましたが、一部のサービスは日本通運によって継続されています。特に航空便を利用した配送サービスは、現在も日本通運が提供しています。また、台湾では東元集団が「宅配通」というブランド名で、ペリカン便のサービスをライセンス提供という形で展開しています。

関連情報

ペリカン便のサービスに関連する企業・サービスは以下の通りです。

ゆうパック
JPエクスプレス
日本通運
郵便事業株式会社（JP POST）
アロー便

まとめ

ペリカン便は、かつて多くの人に利用された宅配便サービスです。ゆうパックに統合されてブランドとしての歴史は終わりましたが、そのサービスの一部は現在も利用可能です。ペリカン便の歴史を振り返ることで、日本の宅配便業界の変遷を垣間見ることができます。

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