ペリコーペ

ペリコーペとは

ペリコーペ（pericope）とは、キリスト教の礼拝において読み上げられる聖書の一節を指します。この言葉は古代ギリシャ語の「切り取り」という意味に由来しており、特定の聖典から選ばれた段落や文章が公の場で朗読される形で用いられます。英語の発音に従ってペリコピーとも呼ばれることがあります。

ペリコーペの選定

ペリコーペは教派によってその選定方法が異なります。カトリック教会やプロテスタントのいくつかの宗派、特にルター派や聖公会では、教会暦に基づいて定められたペリコーペが使用されます。日ごとの礼拝において、あらかじめ決められたテキストが読まれることは、信徒にとって教義を学び、メッセージを受け取る重要な機会となります。

そのペリコーペを集めたものが「聖書日課」と呼ばれ、20世紀以降、特に改訂共通聖書日課（Common Lectionary）が普及されてきました。これにより、異なる教派でも同じ期間に共通のペリコーペを使用することが可能となり、信者同士の一体感を高めています。

様々な形式のペリコーペ

ペリコーペは、通常、福音書や使徒書簡から抜き出された部分で構成されることが多いです。特に物語性や詩的な要素が強い部分が抜粋されることが多い一方で、必ずしもそれに限定されるわけではありません。選ばれた一連の抜粋は、単一の書からの断片である場合もあれば、複数の書からの抜粋を組み合わせた形で構成されることもあります。このように、いくつかの抜粋を一つに繋げたものは、英語で「composite reading」や「concatenation」と呼ばれます。

書物としてのペリコーペ

ペリコーペと呼ばれる写本は多くの場合、装飾が施され、特に福音書に関する部分が抜き出された形でまとめられています。これにより、特定のミサや礼拝で使用される際に、人々が容易にこの部分を参照できるようになっています。

具体的な事例

歴史的なペリコーペの事例として、特にリウドルフィング家の時代の芸術作品であるハインリヒ2世のペリコーペやザルツブルク・ペリコーペが挙げられます。これらは中世の信仰と文化が融合したものであり、ペリコーペの重要性を物語っています。

結論

ペリコーペはキリスト教における礼拝や聖典の朗読において、信者にとって不可欠な要素です。教会暦に基づいて選ばれることで、信者は共同体としての一体感を深め、聖書のメッセージを日々の生活に取り入れることができます。今後もペリコーペは、信仰の糧としての役割を果たし続けることでしょう。

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