ペリー・コモ

ペリー・コモについて

ペリー・コモ（Perry Como）は、1912年5月18日にペンシルベニア州キャノンズバーグで生まれたアメリカの人気歌手です。本名はPierino Comoで、イタリア系アメリカ人の家庭に育ちました。彼は「歌う床屋さん」として知られ、理髪店で働いていた頃に歌声コンテストでの優勝を機に歌手としての道を歩み始めました。1936年にデビューを果たし、その後はフレディ・カーロン楽団の専属歌手として活動をする中で、テッド・ウィ―ムスの目に留まり、専属歌手としての地位を確立しました。しかし、第2次世界大戦により楽団が解散すると、一旦理髪師としての生活に戻ります。しかし、彼の音楽の才能は大いに期待され、1943年からはCBSラジオで自身のショーを開始し、その人気を確固たるものにしました。

1945年には「時の終わりまで」が初めてのミリオンセラーとなり、彼の名声は確立された。ラジオやテレビを駆使して次第にスターの座を獲得し、初期はビング・クロスビーのスタイルを模倣していましたが、次第に自身の独自のスタイルを確立しました。彼は、フランク・シナトラやビング・クロスビーと共に20世紀のポピュラーシンガーとして広く認識されました。

1950年代には「パパはマンボがお好き」や「ホット・ディギティ」といったノベルティ・ソングを多数録音し、彼の人気はますます高まりました。在りし日の彼の真価はバラードにあり、「恋のとりこ」や「魅惑の宵」、「ハロー・ヤング・ラバーズ」などのヒット曲が続々と生まれました。特に、バート・バカラック作曲の「マジック・モーメンツ」、さらには「夢で恋すれば」「イッツ・インポッシブル」といった楽曲は、全米での大ヒットを記録しました。彼のキャリアの中で、14曲もの楽曲が全米ナンバー1に輝きました。

1953年には「ペリー・コモ・ショー」が始まり、この長寿番組は世界中で彼の音楽を広める重要な役割を果たしました。日本でも1959年からの2年間放送され、彼の魅力を多くのファンに届けました。さらに、1970年にはラスベガスのインターナショナル・ホテルに出演し、その公演の模様はレコード化され、多くの話題を呼びました。

ペリー・コモは、長い間RCAレコードと契約し続け、その誠実な姿勢はファンから高く評価されました。また、マフィアとの関係を嫌ってカジノでの公演を拒否したことでも知られ、スキャンダルの少ないクリーンなイメージを持つアーティストとして人気を博しました。1979年には初めての来日公演も果たし、彼の暖かく優しい歌声は多くの人々に感動を与え続けました。

2001年5月12日、フロリダの自宅で88歳で亡くなりました。生前の功績を称えて、彼の故郷には等身大の彫像が設置されました。2002年には「グラミー生涯功労賞」を受賞し、彼の遺した音楽は今も多くの人々に愛されています。ペリー・コモはその温かな歌声で、今なお多くのファンに支持される存在です。彼の音楽は時代を超え、後世に引き継がれ続けています。

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