ペルナンブーコ州

ペルナンブーコ州について

ペルナンブーコ州（Estado de Pernambuco）は、ブラジルの北東部に広がる州で、周囲にはパライーバ州、セアラー州、アラゴアス州、バイーア州、ピアウイ州が接しています。東側は大西洋に面しており、沖合には世界遺産に指定されたフェルナンド・デ・ノローニャ島があります。州の中心都市であり州都であるレシフェは、ブラジルで5番目の人口を誇る都市で、約350万人が暮らしています。州の略称はPEです。

歴史的背景

ペルナンブーコ州の歴史は非常に古く、ポルトガルによる植民地時代にカピタニアが設立されたことが始まりです。この地はブラジルで最も早く発展した地域の一つで、1543年にはブラジルの大部分がパウ・ブラジルの貿易から経済的繁栄を享受しました。1570年頃には、サトウキビの栽培が行われ、ペルナンブーコはその中心地として知られるようになりました。サトウキビ農園は「エンジェーニョ」と呼ばれ、ここでの富は極端な貧富の差を生み出しました。

オランダが1620年代にブラジルに侵攻した際、ペルナンブーコはオランダ領ブラジルの一部となりました。この時期、レシフェは商港都市として発展し、特にナッサウ＝ジーゲン伯の支配下で繁栄しました。しかし、1645年にはポルトガル側の反乱により、オランダは再びブラジルの支配を失いました。これを契機に、ペルナンブーコの人々は自己のアイデンティティを強く意識するようになりました。

19世紀には、ペルナンブーコ革命やさまざまな反乱が起こりました。このような動乱は、奴隷制廃止運動に繋がり、1888年に奴隷制が完全に廃止されました。しかし、経済は停滞し、多くの人々が経済的苦境に陥りました。特に旱魃や盗賊の横行が続く中、地域の人々は貧困に苦しむこととなり、ランピオンと呼ばれる義賊が現れるなど、社会的混乱が続きました。

地理と気候

ペルナンブーコ州は亜熱帯気候に属し、特に州の東部はゾーナ・ダ・マッタとして知られる肥沃な森林地域です。農業に適した土壌と多量の降雨が特徴のこの地域では、500年前からサトウキビ栽培が行われてきました。西部にはセルトンと呼ばれる乾燥した内陸部が広がり、その乾燥地域における生活は非常に厳しいものです。また、アグレスチと呼ばれる中間地域では豆類やトウモロコシ、綿花が栽培されており、地域社会の経済活動の中心となっています。

経済と産業

ペルナンブーコ州の経済は主にサトウキビと観光業に依存しています。州都レシフェには多くの観光名所が点在しており、特に植民地時代に建設された美しい教会や建物が観光客を引きつけています。さらに、大西洋の美しい海岸線やフェルナンド・デ・ノローニャ島も訪れる理由となっています。

文化と住民

ペルナンブーコの住民は、様々な人種が混ざった独特の文化を持っています。コロニアル時代の建築物が多く見られ、フォホーと呼ばれる伝統音楽に代表される独自の音楽文化も発展しています。また、この州には多くの著名な人物が生まれ、サッカー選手や音楽家も数多くいます。21世紀に入ってからも、ペルナンブーコは地域の特性を生かした観光業を強化し、経済の再生を図っています。

ペルナンブーコ州は、その歴史的背景、豊かな文化、独特の自然環境により、観光や研究の対象として今もなお注目されています。

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