ペルー共和国議会

ペルー共和国議会：一院制から両院制へ

ペルー共和国議会（Congreso de la República）は、ペルーの立法府であり、国の唯一の立法機関として機能してきました。これまで一院制でしたが、2024年3月7日、両院制への移行法案が可決され、2026年の総選挙から両院制に移行することが決定しました。

議会構成と政治状況

共和国議会は、130名の議員で構成される一院制（移行までは）でした。選挙は非拘束名簿式比例代表制で行われており、この制度が、ペルーの政治において大きな問題を引き起こしてきました。比例代表制のために、多くの少数政党が乱立する状況が常態化し、議会運営の混乱や政治的膠着を招いてきました。

例えば、2018年にはペドロ・パブロ・クチンスキ大統領が汚職疑惑で辞任し、マルティン・ビスカラ第1副大統領が大統領に昇格しました。ビスカラ大統領は、政治改革を目指して2019年9月に国会を解散する強硬策に出ましたが、これは国民の支持を得ました。しかし、2020年には、再び少数政党間の権力闘争が激化し、国会改革で支持を受けて勝利した大統領でさえ、「汚職」を理由に罷免される事態も発生しています。こうした罷免事案の裏には、権力闘争の影が潜んでいると報道されることもありました。実際、罷免の根拠とされた汚職疑惑についても、訴追に至らなかったケースも存在しています。

選挙制度

議員の選挙資格は18歳以上の国民、被選挙資格は25歳以上の国民です。議員の任期は5年です。

両院制移行への期待と課題

両院制への移行は、ペルーの政治システムに大きな変化をもたらすでしょう。現状の一院制では、少数政党の乱立による議会運営の混乱が問題となっています。両院制への移行によって、より安定した立法府が実現し、政策決定のプロセスが改善されることが期待されています。しかし、両院制に移行したとしても、少数政党の乱立や、大統領と議会の対立といった根本的な課題が解決されるとは限りません。

今後の展望

ペルーの政治システム改革は、一筋縄ではいかない道のりです。両院制への移行は大きな一歩ですが、真の政治改革を実現するためには、選挙制度改革や政党制度改革など、更なる取り組みが必要となるでしょう。今後のペルー政治の行方を見守る必要があります。

脚注

特になし。

出典

特になし。

外部リンク

* スペイン語'>Congress of the Republic of Peru（公式サイト）

もう一度検索